米Amazonなどのネット販売へ対抗するため、日本の小売各社がデジタル分野での投資を拡大することが日本経済新聞で報道されていました。イオンは「デジタル投資は次の三年間で1兆円になるだろう」と経営幹部が昨年10月の決算発表で語っているということが紹介されていました。ものすごく巨大な金額で驚いてしまいます。
イオンの計画
イオンでは昨年には米国にあるインターネット通販の有力なスタートアップ企業に投資したほか、人工知能やロボティクスの技術を取り入れて物流拠点の自動化を進め、さらに2018年度中に外部の企業も出品できるモール型の通販サイトを立ち上げるのだそうです。
米国では昨年の10月に小売りの老舗であるシアーズ・ホールディングスが経営破たんしました。一昨年には家電量販店のラジオジャック、玩具販売大手のトイザラスが経営破たんしています。
日本においても大規模な小売店は、Amazonなどのネット販売に対して大きな脅威を持っていることは間違えありません。 さらに日本では少子高齢化が進むにつれて人口そのものも急速に減っていくので、消費量そのものが減ります。大型ショッピングセンターにとっては、まさに逆風が吹いている状況です。
Amazonは相当のスピードで利用者を増やしているので、実店舗メインで営業している各小売り業者は確かにスピードが大切とは思うものの、これだけ大規模に投資して、いきなりモール型の通販サイトを立ち上げたとしても、Amazonなどに対して対抗できるのか否か疑問も残ります。
日本でのネット通販サイト
すでに、Amazon以外にも日本では楽天市場やYahoo!ショッピングなどの大きな通販ショッピングモールが存在しています。Amazonは自前でも商品を仕入れて販売しますし、マーケットプレイスという仕組みでほかの小売りでも商品を販売させることができるようになっています。楽天市場やYahoo!ショッピングに関しては、他の小売り業者に売り場を設けてもらってショッピングモールを形成しています。
イオンの通販サイト
現在のイオンのネットショップを見てみると、日々使う食品、日用品、医薬品などを扱うイオンネットスーパー、キッズ用品やおもちゃの通販サイトであるキッズリパブリックオンラインショップ、イオンスタイルファッションオンラインストアなどなどが出店していました。
この延長で大規模にショッピングモールを展開しても、消費者から見ると厳しい感じがします。 ビックカメラなどは楽天市場の中に自前のネット店舗を持つ選択をしました。
一方でヨドバシカメラは自前で通販サイトを持つとともに多彩な商品を取り扱って、また配送も自前で実施する道をとっています。単独で通販サイトを持つという意味ではかなり頑張っているように思います。
月間ネット販売が実施した調査ではヨドバシカメラの2018年3月期のネット販売売上高は1110億円にも達しているそうです。 イオンがどんな形でネット通販を強化するのか、今後の動きが気になるところです。
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