公共料金における全国の格差

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ダイヤモンドの公式サイトを見ていると、水道料金のランキングを紹介している記事がありました。その料金の格差は一番安い自治体と一番高い自治体で比較をすると実に7倍を超えるのだというので驚きます。

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高い自治体

水道料金が高い自治体の一覧を見ていると、驚いたことに一番は埼玉県の寄居町となっていました。驚きの7695円という価格になっています。東京からもそれほど離れていない寄居町が北海道の江差町や夕張市よりも高いというのは何故なのでしょう。

ちなみに寄居町はランキング対象の20mm口径は業務用の大口利用が中心で、家庭用は13mm口径の1ヵ月20立方メートル2935円の利用が大半になっているという補足説明がありました。この調査では20mm口径の水道料金を対象にして調べているが、他の自治体では20mm口径の水道管は家庭用が多いのに対し寄居町では業務用用途が多い、業務用は水道料金が高いということでしょうか。

安い自治体

逆に水道料金が安いのは兵庫県の赤穂市で961円となっています。ほかにも白浜町、富士河口湖町、小山町、草津町といった、きれいな水が豊富にありそうな自治体が名を連ねていました。この想像は合っていて、例えば赤穂市では水質が良いため水の浄化にかかるコストが低いことと、人口が密集しているので排水管を配置する効率が良いことが理由だそうです。

地方から首都圏への人の流出が続くと、地方で水道管や浄水場といった公共設備のインフラ維持を支える住人の数も少なくなってしまいます。この傾向が続けば、地方における公共料金は右肩上がりにあってしまい厳しい状況が続いてしまいます。今までは東京の物価が高いイメージが強くありましたが、公共料金に関しては地方の方が高いというケースがこれからより鮮明になるかもしれません。

設備更新の遅延

水道に関しては老朽化した管路や浄水施設の更新が大幅に遅れていることが大きな課題になっています。高度経済成長の時期に一斉に敷設された水道管が法定耐用期限の40年を超えるものが今後急増しますが、それらの更新をするための費用を確保する目途がなかなか立たないのことでした。ほかにも調べてみると、水道管の交換には1Kmあたりで1億円もかかるのだそうです。都市部の需要が多いところであれば、1Kmで1億円の費用をかけてでも更新する価値は高いですが、山間部などとなると、なかなか工事に着手しにくいことも判ります。例えば、秩父地域では老朽化した水道管が約190Kmもあるのだそうです。気の遠くなるような数字です。

このまま更新できずに放置されてしまうと、水道管の破裂等の事故が発生してしまいます。老朽化による漏水や破裂事故は年間で2万件以上起きているとする記事もありました。水道事業の広域統合や民営化を模索する自治体も増えているとのことでした。

民営化

すでに電話料金や電気料金等は民営化を経て通信の自由化、電気の自由化といった形で民間活力の投入が進んでいますが、上下水道に関しては民営化のイメージがしにくい分野ではあります。電話や電気に異業種からの参入が相次ぎ競争環境ができることは想像できるのですが、例えば浄水場を提供する企業が同じ地域で2つできるとは思えません、民間の競争環境ができにくい環境であるように思えます。

すでにフランスのパリでは水道民営化が1980年代に実施されましたが、水道料金の値上げが相次ぎ、25年間で水道料金が2倍に跳ね上がってしまいました。市民の不満を受けて2010年にふたたび公営化された経緯があります。

抜本的には水道料金の価格高騰を抑えるためにはコンパクトシティの実現といった課題をクリアーすることが先決なのかもしれません。今住んでいる人を待ちの中心部に移すことは大変なことになってしまうので、これ以上、インフラコストを上げないようにすること、今できることは郊外等に検索されようとしているニュータウンや分譲住宅の建築を進めずに中心地に増えている空き家を活用するといった政策が優先されるべきことかもしれません。

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