Amazonが日本で全品ポイント還元の方向へ

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日経新聞を見ていると通販大手のAmazonに関する興味深い記事がありました。2018年5月下旬からインターネット通販サイトで取り扱っている全商品に対して、購入金額に対して1%以上のポイント還元を実施することを決めたのだそうです。今まではAmazonが直接販売する一部の商品などに限ってポイントの還元が行われていましたが、今度は外部の事業者がAmazonのプラットフォームを利用して販売するマーケットプレイスの商品も含めてポイントを還元するとのことです。

今回はAmazonから出品事業者に対する通知を通して明らかになりました。5月23日からポイント還元の方式に改めるようです。

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ポイント還元は日本のみ

Amazonは色々な国でインターネット通販を実施していますが、ポイントを還元するのは日本のみと報じられていました。楽天市場やYahoo!ショッピングなどの勢力を追い落とすところまではAmazonは日本の市場を制覇できていません。この制覇を阻害する要因の一つが日本で人気のあるポイント制度にあるのではないかということになったのでしょうか。

Amazonとポイント還元の相性

正直、私個人に限って考えると、Amazonがポイント制度を始めたからと言って、楽天市場よりAmazonの方を利用するかと言えばNoです。純粋に楽天市場かAmazonかはポイント還元分や送料を考慮した金額でどちらかが安いかを基準に考えています。単にポイント還元を実施している方を選んでいるわけではありません。

楽天関係のポイント還元

楽天市場は色々なキャンペーンを常に実施していて、エントリーや買い回りなどのイベントに参加することによってポイント還元倍率が上がっていく仕組みになっています。さらに楽天プライムなど、あまり大きく宣伝されていないような制度も合わせて使うことでお得になります。少し前まではポンカンキャンペーンという仕組みがあり、さらにポイント還元を大きくすることができたのですが、今は無くなってしまいました。

しかし、楽天モバイル、楽天カード、楽天証券、楽天銀行、楽天トラベルなどなど、いろいろなサービスを使っていくことで、ポイント還元の倍率が増えていくようになっており、顧客を楽天経済圏に囲い込むことがうまくいっているように見えます。

私も楽天が提供する種々のサービスを利用しているため、楽天市場の買い物に対して相当数のポイントが還元される状況になっておりトータルで考えてお得なので、楽天を利用する機会が多くなっています。もしも、楽天市場が商品購入代金に対して1%の還元のみでしたら、楽天を使う機会は減っていたと思います。

Amazonがポイント還元をはじめたとしても、楽天のような広がりは無さそうです。AWSの利用者はポイント2倍と言われても該当する個人客はほとんどいないのではないでしょうか。従って、Amazonではポイント還元よりも現金値引きを実施してもらった方が本当は助かります。

日本人はポイント還元が好きなのか

日本人はポイント還元が好きだという論調もありますが、別に好きなわけではないと思います。家電量販店のビックカメラなどが実施している10%還元といった大きな還元は目を引きますが、1%還元程度では少額の買い物ではポイントカードを出すのすら面倒になります。ファミリーマートで「Tカードの提示をお願いします」と言われるのが嫌で、セブンイレブンに行ってnanacoで決済することも多いです。

どこのお店も真似をしてポイント制度を導入してしまったことで、日本人は仕方なくポイントカードを持っている状況になっているのではないでしょうか。ケーズデンキではないですが、「ポイント還元よりも現金値引き」の方が本当は嬉しいです。ポイント制度はお店側が消費者を捕まえておく道具の一つだけとしてしか思えません。

楽天のように色々なサービスを利用することでポイント還元倍率が上がり消費者にメリットがあるところと、商品購入の一律数%がポイント還元できるだけのメリットがないところに事業仕訳けができるものならば、やりたいところです。

経済産業省の反応

ポイント還元の原資は商品を出品している事業者が負担することに対して、世耕経済産業省大臣は記者会見で、「仮にネット通販市場で優越的な地位を乱用し、一方的な契約変更で出品者に過度な負担をさせているのであれば、中小企業の公正な競争条件をゆがめる大きな問題だ」と指摘しました。

さらに、「特に中小企業はネット通販市場に依存している部分が大きい。公正取引委員会には、迅速な調査を進めていくことなどを強く期待したい」とも語っています。

Amazonの事業内容から考えると、今からポイント還元の制度を導入するのは、あまり大きな意味も思い当たりませんし、このような優越的地位の濫用といった議論も巻き起こってしまうので、見直せるものであれば見直した方が良いのではないかと思います。

公正取引委員会がAmazonや楽天を調査へ

経済産業相の記者会見をトリガーにしてかか、公取がECモール運営企業の一斉調査に乗り出すことが日経新聞で報道されました。

ただ、ECモールに限らず、例えば実在するショッピングモールでも出店料をもとにして、各種のイベントをモール側では実施していることが通例化していますし、クレジットカード会社が手数料の中から消費者にポイント還元するのも同じ話だと思いますので、既存の仕組みに対して、優越的地位の濫用を適用するのは難しいように思います。

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