最近、定額使い放題サービス(サブスクリプションサービス)をよく見かけるようになってきました。例えば、音楽を例にすると、1980年ころまではレコード屋でレコードを買っていましたし、そのあとはコンパクトディスクを買っていました。その後、レンタルCD屋や通販型のCDレンタルが流行って、借りてきたCDをリッピングしてパソコンに音楽データを蓄えていました。ここまでがどちらかというと所有していた時代だと思います。
所有から脱所有への意識変化
その後、2010年代になると、Amazon music unlimittedやApple Music、そしてLine Musicなど、インターネットを介してクラウド上に保存されている音楽を使い放題で聴くことができるサービスが台頭してきました。サービスを解約してしまえば手元には何も残りませんので、、これが音楽に関して所有から定額使い放題に変わった瞬間だと思います。
ビデオに関しても、HuluやNetflix、dTVなど、やはりインターネットを介してクラウド上にあるコンテンツを見放題になっていますし、クルマに関しても徐々に自分で車を所有するのではなく、カーシェアリングを気軽に利用する人の数が増えています。カーシェアリングは基本料以外は使った分だけ課金されるので、定額使い放題サービスではありませんが、自分で車を所有しなくなるという意味では、音楽やビデオコンテンツと似た動きなのかなと思います。
不動産に関して
空き家問題
一方で不動産に関しては、ずっと昔から自分で家を持つパターンとアパートやマンションなどを賃貸するパターンの二種類が併用されてきました。どちらかというと、いつかは自分の家を持つのが目標で、それまでは賃貸でという考えの人が多かったのではないかと思います。
場合によっては会社が準備した社宅を利用するというパターンもありましたが、2000年代に入ったころから企業の国際競争力重視の時代になって、社宅の供給から持ち家の利子補給や家賃の補助などの制度にかなりの会社が移行しています。
ただ、昨今の報道を見ていると、親が亡くなったあとの実家がトラブルの原因になってしまう「空き家問題」が注目されるようになってきました。昔は財産として家を子どもに残そうという考えを持ち郊外でもローンを組んで一軒家を持つ人が多かったのですが、最近の傾向としては都心回帰の時代になってきており、郊外の一戸建てには子どもは戻ってこないような状況になり空き家問題につながるケースが増えていると聞きます。
2018年の空き家率は17%となっていますが、2028年には空き家率が25.7%、約4軒に1軒の割合で空き家になるということになります。自分の家の前後左右に家が一軒ずつあるとすると、その中のどこかが空き家になると確率なので、とても怖いことです。
賃貸の見直し
このように家を所有すること自体がリスクになるということが共通の認識になっていくと、音楽コンテンツや動画コンテンツと同じように賃貸が見直されるのではないかと思います。
これから先、転職することが当たり前になっていくと、同じ会社にずっと勤め続けるとも限りませんし、仕事がグローバルになっていけば、海外赴任をする機会も増えることになります。やはり、不動産を持つこと自体がリスクにつながる可能性が高いです。
これから先、テレワークが一般的になれば、都心に回帰していた人が、また郊外に戻るような時代も来るかもしれませんし、物理的に一か所に居を構えることが限定されてしまう不動産の所有というのは、徐々に時代の変化に合わなくなりそうな気がします。
これから先、賃貸が見直されていくのではないでしょうか。
不動産サブスクサービスの事例
1ヶ月に30枚分のチケット(1チケット=1泊)の発行で月額99,800円の不動産サブスク、ADDressというサービスがあります。
利用できる物件は国内・海外の300ヶ所となります。
- 光熱費や共益費、Wi-Fi込み
- 家具家電完備
- 同伴者利用制度が5名まで無料
ほかにも、チケット2枚プランから各種揃えられているので、お試し利用をしても面白いかもしれません。
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