日本のゴールデンウイーク期間中の4月30日に米Apple社が第二四半期決算を発表しました。
前年同期比で減少
売上高は前年同期比で5%減、純利益は16%減という内容でした。これで2四半期連続での減収となった形になります。
市場の反応は冷静
第一四半期の発表後にはAppleショックという形で市場に動揺が見られましたが、今回の発表では大きな動揺は見られませんでした。アナリスト向けに実施された電話会見では第一四半期に不振の切っ掛けになった中国での事業について回復の基調にあることが示されたためです。また、アプリケーションの配信事業など、ハードウエアの売り上げによらないサービス部門で業績が上がったことも市場に安心感を与えた形になっています。
サービス部門の成長
サービス部門の成長については、売上高が16%増えただけではなく、粗利益ベースで全体の約1/3をサービス部門でたたき出している形になっています。今後はクレジットカードの事業に参画することが発表されていたり、定額制の動画配信サービスの開始も発表されています。これから先はハードの売り上げの増減だけに左右されない、サービス部門での経営基盤強化が好感されています。
iPhoneやiPadなどは、サムスン、ファーウェイとの競争環境にありますが、なかなか新たな付加価値を持った爆発的な販売につながる製品の開発には至っていません。また、中国での販売不振等、米国をとりまく政治環境にも販売数が左右されてしまうところがあります。やはり、ビジネスのポートフォリオとして、ハードウェア販売に依存した事業展開は危険だということになると思います。
それに比べてサービス事業はプラットフォームとしての地位を獲得すると、消費者がなかなか他のサービスに乗り換えられなくなるので、早めに展開したほうが優位に立ちやすい状況にあります。サービス部門を強化するという取り組みはApple社の成長や安定性の確保には欠かせないことなので、市場としてもよい傾向として受け入れられたのでしょう。
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