全国に53施設が営業している「かんぽの宿」のうち、11施設が営業終了することが発表されました。12月下旬に営業を終了する方向だとNHKでは報道しています。今後は売却先を探すなどの対応を進めます。
かんぽの宿は2007年の郵政民営化までは簡易保険加入者が優先して利用できる施設でした。したがって、宿泊施設として利用が可能な福祉施設という位置付けでした。また、簡易保険を利用していない人が宿泊する場合には加算料金を支払う仕組みになっていました。郵便局で取り扱っていたこともあり、簡易保険の利用者数がそれなりにあった時代においては意味のある施設だったと思います。
その後、郵政民営化に伴って、日本郵政株式会社が運営する直営の施設となりました。また、同時に簡易保険の利用の有無に問わず、宿泊できる施設となっています。公式サイトで各宿のページを見ると、たしかに誰でも宿泊の予約が入れられるようになっていました。
しかし、施設の老朽化や利用客の減少により、営業赤字が出ている施設があります。近年、電子メールの普及や宅配便の発達により、日本郵政自体も厳しい経営を強いられているので、11施設については営業終了することとなりました。
今回営業終了される11箇所は以下の施設です。
- 箱根
- 別府
- 富山
- 郡山
- 磯部
- 勝浦
- 諏訪
- 岐阜羽島
- 浜名湖三日月
- 湯田
- 徳島
昔、時刻表の巻末ページにあるホテルや旅館の一覧を見て、電話で宿の予約をしていたような時代は、その宿がどんなところなのか知るすべもなく予約をしていました。
しかし、現在は実際に泊まった人のレビュー記事も含めて、インターネットで簡単に情報を入手することができるようになりました。
また、色々なチェーン店も含めて業界に進出していることもあり、安くて良い宿泊施設が見つかりやすくなっています。そのような状況の中で、かんぽの宿かこれからも経営を存続できるのかどうか気になるところです。
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