東名高速道路が開通から50年が経過しました。東名高速道路は東京都世田谷区の東京インターチェンジから神奈川県、静岡県を経由して、愛知県小牧市の小牧インターチェンジを結ぶ高速道路です。
東名高速道路の歴史
1962年5月30日に東京と静岡の間で工事が開始された後、1968年4月25日に3区間、計129Kmで部分開通、そして1969年5月26日に全線の347Kmで開通しました。この全線開通からちょうど50年が経過したことになります。
その後、東名高速道路は大都市間を結ぶ大動脈として、交通量が増加したことにより、渋滞や事故が常態化するするようになりました。また、設計が古いため急カーブや急こう配が多いという特徴もあります。老朽化も進んできているため、東名集中工事という形で設備の更新工事も多数実施しています。
新東名高速道路の計画と開通
このような状況であったため、東名高速道路のバイパスとして新東名高速道路が計画されました。道路規格第一種第一級、設計速度120Km/h、往復6車線として構想されています。(現時点は暫定4車線での供用)
2012年に御殿場ジャンクションと浜松いなさジャンクションの間、2016年に浜松いなさジャンクションと豊田東ジャンクションの間、2018年に海老名南ジャンクションと厚木南インターチェンジの間、2019年に厚木南インターチェンジと伊勢原ジャンクションの間がそれぞれ開通しています。
今後は2019年度中に伊勢原ジャンクションと伊勢原大山インターチェンジの間、2020年度に伊勢原大山インターチェンジと御殿場ジャンクションの間がそれぞれ開通する予定です。2020年度中には海老名南ジャンクションから豊田東ジャンクションまで一気につながるので便利になります。
開業当初は最高速度は100Km/hに制限されていましたが、現在では新静岡ICと森掛川ICの区間で試験的に最高速度が120Km/hに引き上げられています。
東名高速道路のネック
新東名高速道路が開通したことで安泰ということはまったくなく、東名高速道路には大きなネックが残されています。厚木インターチェンジと横浜町田インターチェンジの区間、特に大和トンネル周辺は渋滞のメッカとなってしまっています。
厚木インターチェンジは小田原厚木道路から流入してくる車、横浜町田インターチェンジは国道16号や保土ヶ谷バイパスから流入してくる車があり、どうしても交通量が増えてしまいます。
さらには大和トンネルは、南側にある厚木飛行場の滑走路の延長線上に作られており、飛行機の墜落事故に備えて被害を軽減させるために天井の低いトンネル構造とされています。このトンネル付近が緩やかな下り坂から上り坂に変わる場所であること、トンネル内が暗いために車が減速してしまうことなどから渋滞が発生しやすいポイントになっています。
新東名高速道路も海老名より東側の区間では、どのルートに建設するかということも決まっていない状況で、完成までには気が遠くなるほどの期間がかかりそうです。厚木と横浜町田の間は、抜本的な対策を打つのは難しそうな区間です。
大和トンネルの渋滞対策
2015年の朝日新聞を見ると大和トンネル内の車線を3車線から4車線に拡幅する方針を固めたことと2020年の完成を目指すことが報じられています。トンネル区間だけではなくて、その前後を含めた4キロメートルから5キロメートルの区間を4車線化するとしています。
この工事は現在も進められている様子ですので、この工事の完了によって、どれだけ渋滞が減少するかが一つの注目ポイントです。
今後
国土交通省の長期交通需要推計などを見ると、日本は少子高齢化に伴い人口減の時代に突入するにも関わらず、右肩上がりで交通量はまだ増えるという予測が行われています。大都市近郊区間の渋滞が常態化しているような場所は、まだまだ対策を打っていく必要があります。
首都圏に関しては、都心への交通流入を減らすために、圏央道や外郭環状道路、首都高中央環状線などの整備が行われてきましたが、まだ渋滞の解消までには至っていません。今後の対策が気になるところです。
コメント