ダイヤモンドの公式サイトで、「Appleのさらなる成長と死角」という電子書籍の一部が会員向けに無料公開されていたので読んでみました。スティーブジョブズがなくなったあとにバトンを渡されたティム・クックはアップルに入社以降、どのような活躍をしていたのかがまずは紹介されています。スティーブジョブズはプレゼンも上手ですし、またその直観力や最高のものを作りたいという意思を実行する力は抜群の力を持っているように思います。しかし、ティム・クックはそれとは正反対の控えめな人のように感じていました。
アップル社の成長
それなのに、ティム・クックがCEOになったあとに売り上げは2倍、株価は4倍という目覚ましい成果をあげています。スティーブジョブズ自身が未来を見据えてどのように成長を目指すかのシナリオを描いていたことも大きいと思いますが、このティム・クックの功績も何かあるのではないかと漠然と考えていました。
そんな疑問にアップル社に起こった危機やハプニングも交えながら、ある一つの回答を準備しているようなそんな書籍です。
収益モデルの転換
従来はMacintosh、iPod、iPhone、iPadといったハードウェアやiTunesやAppStoreといったコンテンツマーケットビジネスで大きな収益をあげてきたアップル社ですが、そろそろ、それらに頼ったビジネスだけでは売り上げや利益を右肩上がりにするのは難しくなってきています。
そこで、音楽のサブスクリプションサービスなど、新たなサービスビジネスを確立して次の収益源となるように模索しているのが現状の姿かと思います。5月14日からはiPhoneやiPadなでのデバイス向けにもApple TVアプリの配信を始めて、動画コンテンツの提供を開始しました。先ほど、思い出したようにiPhoneでApple TVアプリをインストールしてどんな動画が公開されているのか見てみました。ただ、あまり魅力的なコンテンツが多くあるわけではなく、ほかのサブスクリプションサービスと差別化できるような状況ではありませんでした。
自分でアプリを触っているときには気が付かなかったのですが、こちらの記事を読むとAmazonプライムTVで公開されている作品にそのまま送客する機能もあるそうです。
動画を配信するサービスモデルはすでにAmazonやNetflix、Huluなどが手掛けてきている分野でもあり、正直、今更感はあります。今からiPhoneやiPadでこれらの競合するサービスのあプリを排除したとしても、これらの会社やこれらのサービスを利用している消費者からの大きなクレームにつながり、iPhoneやiPadの販売不振につながってしまう可能性もあります。かといって、この記事にあるように送客する機能があっても消費者を集められるわけではないと思います。消費者自身もそれほど多くのコンテンツサービスと契約できるわけではありませんので、契約をしているサービス専門のアプリを利用したほうが何かと操作性が良いです。
今回は、Appleが後手を踏んでしまっているので、どうやって他社に対する差別化を進めるのか、今後の戦略が気になるところです。
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