東洋経済のオンラインサイトを読んでいると、「サブスク急拡大の理由はユーザー有利にあり」という記事がありました。なんとなく違和感のあるタイトルです。
確かに例えば音楽配信のサービスを例にとると、サブスクリプションサービスに加入しているときは、ユーザー有利であることは間違えなくあると思います。毎月1000円ほどの費用を払うだけで相当の種類の音楽を聴くことができるようになります。
もしも、同じ金額でCDを購入したとしても、サブスクリプションで公開されている、自分が興味をもって聞くであろう楽曲をすべて購入するまでには、相当の年月がかかります。
また、サービスを簡単に他社にスイッチできる点も魅力の一つだと思います。自分の所有物を預けているわけではありませんので、他社のサービスに乗り換えるときにスイッチングコストが必要ありません。自分の好きな楽曲を安く提供してくれる新しいサービスを見つけたら簡単に現在のサービスをやめて新しいサービスに乗り換えられます。
しかし、最悪のデメリットはサブスクリプションサービスの契約を解除すると、一切の楽曲を聞くことができなくなってしまいます。今まで月々払ってきたお金は何の価値に変ることはありません。これがもしも、CDであったり、iTunesから購入した音楽であれば、ずっと聴き続けることができます。
サブスクリプションサービスは1回コンテンツを視聴すれば満足できるようなものには向いていると思います。例えば、huluなどで映画のコンテンツを1回見たとします。映画については一回じっくりと見れば、二回目は見ないことが多いのではないでしょうか。
さほどの頻度ではないと思いますが、よほど、作品を気に入ってしまって、何度もみたいというような場合には、むしろ、ブルーレイディスクやDVDを購入しておくことがベストでしょう。
逆に音楽コンテンツについては、同じ曲を何回も聴きます。このようなコンテンツはサブスクリプションサービスは向いていないような気がします。Amazon Kindle Unlimitedのような書籍や雑誌の場合もほとんどの場合は一回だけじっくりと読む本が多いのではないでしょうか。これも、サブスクリプションサービスが向いているような気がします。
サブスクリプションサービスに加入すれば絶対にユーザー有利ということはありません。やはり、提供されているコンテンツの性質によって、賢くサブスクリプションサービスを使うのか否か選んでいくことが大事なのではないかと思いました。
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