中長期的なビジョンかカレーハウスCoCo壱番屋のいきあたりばったりか

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普通、ビジネスの書籍を読むと、中長期的なビジョンを明確にすることや、市場の中長期的な変化に敏感になることの必要性が説かれていることが多いと思うのですが、カレーハウスCoCo壱番屋の創業者はまったく違った考え方を持っています。
(今回調べていて、カレーハウスCoCo壱番屋は「カレーならココ一番や!」から由来していることを初めて知りました。また開店当初からハウス食品のルーを使っているそうです。)

行き当たりばったりこそが経営だ! カレーハウスCoCo壱番屋の創業者が実践した、徹底的な現場主義【前編】 - アントレ STYLE MAGAZINE
独立、開業、起業、フランチャイズ募集のアントレが「 行き当たりばったりこそが経営だ! カレーハウスCoCo壱番屋の創業者が実践した、徹底的な現場主義【前編】 」についての情報をお届けします。
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全てが行き当たりばったり?

お店を創業した当時は全てが行き当たりばったりでその都度考えていたと振り返っています。徹底した現場主義、お客様第一主義で、そして率先垂範の三つにこだわり本気で貫いたとまとめています。

また、「経営をしていて長期的なビジョンや未来のことなど考えたこともない」と言い切っているのがとても印象的です。

なぜ、CoCo壱番屋では教科書に載っていることと違う経営方針でここまで成功してきたのかがとても気になります。

まず頭をよぎったのが、カレーハウスという業態自体が、特に大きな変革を必要とせず、伝統的なスタイルを貫くこと自体が成功につながる業態だったのではないかということです。

しかし、現実的には吉野家や松屋に代表される牛丼屋でカレーを取り扱い始めたり、おいしいレトルトカレーが多数発売されたり、外食よりも中食が流行ったりといった業界の大きな危機が必ずあったはずだと思います。

株主向けIR情報

試しに公式サイトの投資家向け情報にある各種IR資料も読んでみました。株主通信には経営理念や今期までの業績、そして海外も含め店舗が何店舗あるかといった現状は書かれていますが、これからの目標などについては一切触れられていません。

決算説明会の補足資料を読むと、2020年.2期の業績見通しに関する数字は書かれていました。確かに創業者の精神が貫かれているのかもしれません。

ただ、「未来のことなど考えたこともない」というのは事実だとしても、いろいろなところから伝わってくる情報を的確に判断して、未来に対してプラスになる経営判断をする能力に非常に長けているのではないか?という気がします。それは、経営者や経営者を支えるスタッフ、各組織の長などに根付いているのかもしれません。

別の記事を読んでみました。「毎朝4時30分に起床、4時55分に出社。お客様から貰った1000通以上のアンケートはがきを3時間半あけて読む。その後に掃除や会議、店舗巡回をして退社するのは18時から23時過ぎ、休日は年間15日くらい。1年間で5,637時間も働いた年もあった」と振り返っています。

これだけのハードワークをこなす中で、現在の情報を的確につかむ中で、今の小さな変化を的確にとらえ結果として未来のことも想定できるようになっていたのかもしれません。

今の働き方変革が求められる時代には逆行した働き方なので、この仕事の仕方はあまり推薦できるものではないと思います。その中で国際的な競争にも勝つためにどんな仕事の仕方をしなければいけないのか、宅急便を作った小倉昌男のように未来のことを考えるような経営スタイルもやはり必要なのではないかということを考えさせられました。

もう少し調べてみると、「今後のアジア展開における目標やビジョンについて教えてください」という問いに対して、「ベトナムでの新規出店を目指している」などの回答を常務の方がしています。ただ、ネットで検索する限りは、これ以外にビジョンに関する記載は見つけることができませんでした。

【2022/12/17追記】

客足の戻りが低調

新型コロナウイルス感染拡大の飲食店への影響が徐々に少なくなってきましたが、CoCo壱は未だ客足の戻りが低調だという報道がありました。

値上げも何回か実施されたこともあり、カレーを食べるという感覚から考えると、値段が高めになってしまいました。

例えば、メンチカツカレーであれば、900円弱の価格なので、定食屋で美味しい定食が食べられる値段でもあります。

これからCoCo壱の客足が戻るのか少し心配です。

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