台風19号で大規模な土砂崩れ等が発生した影響で道志みち(国道413号線)が一部で通行止めとなっています。道志みちは相模原市の青山交差点から山中湖までを結ぶ国道で、中央道が渋滞などのときにはう回路としても活用できる道でした。また、2020年の東京五輪では自転車ロードレース競技のコースにもなっています。しかし、山間を貫く道路でもあるので、台風等により被害を受けることが多い道でもあります。
道志みちをより安全快適に通行できるよう、この10月1日からは相模原市緑区青根の横山トンネルが暫定供用開始となったり、徐々に快適になってきているのですが、まだまだ整備が必要な場所は多く残っています。
神奈川新聞の記事に添付されている土砂崩れ現場の写真を見ると、国道の路面自体ががけ下に崩落しており、人工的に地盤を作らなければいけない状況になっています。相模原市緑区青根の湯口沢橋手前と同区青野原の境沢橋の二か所が特に大きく損傷していると報じられていました。
相模原市長は首相官邸で菅官房長官と面会し、国道の復旧に向けて国が代行することを要請しています。国による代行は大規模災害復興法に基づく措置で10月29日に国交省は適用を決めています。国土交通省は「まずは一車線でも通行を確保する」ことを目指し、速やかに調査設計に着手するとしています。
国道であれば国が管理主体であると思っていたのですが、なぜ、相模原市から国が代行することになったのかもう少し調べてみました。
国交省の資料によれば、一般国道には直轄国道と補助国道の二種類に分かれるとのことです。直轄国道であれば道路管理者は国土交通大臣、費用負担は国/都道府県/政令市なのですが、補助国道の場合は道路管理者が都府県(政令市)となります。今回は道路管理者の政令市である相模原市では復旧が困難であることから国交省に要請した形になったのでしょう。ちなみに直轄国道の路線長は約23700Km、補助国道は319000Kmあります。
中央自動車道には小仏トンネルという一番ネックになる場所がありますが、この渋滞を解消するための抜本的な対策には、もう一本のトンネルを掘るなどの対策が必要になってしまいますので、まだまだ時間がかかります。やはり、道志みちが果たす補助的な役割は大きいので、早期の復旧を期待したいところです。
【2020/07/11追記】
現時点では暫定復旧の箇所はあるものの山中湖から青山交差点まで通り抜けることができるようになりました。今回の台風被害の教訓を活かして、山梨県と相模原市では特別に協定を結んで、災害が発生した場合に県境を超えて現場に駆けつける体制を整えることにしたそうです。たしかに道志みちで災害が発生すると、災害発生箇所には逆側から入らないとたどり着けない場合が多く想定されますので、有益な協定だと思います。
ここ数日、九州や岐阜、長野を中心にして、大きな豪雨災害が発生しています。このように激甚災害か増えている中、災害発生時に向けて最善の準備をしておくことは大切だと思います。
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