最近になって銀行口座を持っているだけで手数料を徴収するという報道が増えてきました。
三菱UFJ銀行が新規に開設された口座を対象にして2年間の取引が無い場合は年間1200円の手数料を徴収することを検討しているという報道が、具体的な内容だったので波紋を広げています。
口座維持手数料
休眠口座に対して手数料を毎年徴収することで、口座残高がそのうちゼロになった時点で口座を解約していくことを考えているのではないかと報じている記事もありました。
以前はお金を預けておけば、そのお金を銀行は他の人に多少の金利を上乗せして貸し出すなどの運用することで利益を得ていました。
しかし、最近では低金利が続く中で、お金を預けてもらっても十分な金利をのせて貸し出すことができず、利益を稼げない状況に陥ってしまったことが、今回の手数料徴収の報道の要因になっています。
さらには最近では低金利どころかマイナス金利になってしまっていて、預金者からお金を集めて日銀にお金を預けると、逆に利息を取られてしまう状況になってしまっています。
従って、銀行としては口座を持っている預金者が振り込みや引き出しなどで、手数料がかかる取引をしてくれると何とか収入になるのですが、何も取引が発生しないような口座は、口座の維持に費用がかかる一方で収入が得られなくなってしまいます。
それでは、預金者が銀行に口座を持っていると、銀行側ではどんな費用が発生するかも考えてみました。一つは銀行のコンピューターシステムでその記録を管理しておくことに生じる費用です。また、あまり知られていないことですが、銀行が預金通帳を発行すると毎年、印紙税も発生してしまうのだそうです。調べてみると、一つの口座を維持するために銀行では年間で2000円から3000円ほどの費用が発生していると報じている記事もありました。
取引が行われていない口座に対して手数料を取る仕組みは三菱UFJ銀行に限らず、他の銀行でも行われていくものと推測されています。消費者として今のうち出来ることは、取引がなくなっている口座を解約することです。給与振り込みをしているなどの、主に取引している口座に集約をかけていった方が良いでしょう。
【2020/08/21追記】
新規口座開設時の通帳発行の有料化
口座維持手数料のほかに、新規に口座を作る際に通帳を発行すると1100円がかかるという仕組みをみずほ銀行が導入することが報じられていました。スマホアプリなどでも入出金履歴や残高は確認できるため、できるだけ通帳を無くしてデジタルへの移行を促すために実施するそうです。
ただし、70歳以上の新規に口座を開設する人、旧来から口座を利用している人が通帳満杯になって切り替える場合は無料で通帳が発行されるということでした。
2021年1月から導入される予定です。
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