最近、雑誌に関してはサブスクリプションサービスが普及して、月額300円から500円程度を支払うと、いろいろな雑誌を自由に読むことができるようになりました。例えば、楽天グループでは楽天マガジンというサービスを提供しています。
しかし、新聞社の公式サイト等に掲載されている有料記事を読むためには、個々の新聞社ごとに高額な月極費用を支払わなければいけず、かなり負担が大きいです。例えば、日経電子版であれば一月4277円もかかります。一方で新聞の個配と電子版の両方を利用できるプランは5900円です。
どう考えても、電子版の記事を公開するよりも個配の方が新聞社にとってはコストがかかっていると思うのですが、電子版に個配を組み合わせるのにアップする価格差はわずか1700円弱です。新聞社としては今まで構築してきた個配の仕組みや従業員の雇用を守るために、日経電子版のみに契約して個配を止める読者を減らしたいと思っているのでしょう。
結果、経済誌も含めた豊富な雑誌が読み放題となるサービスが300円から500円、新聞社の電子版は個々に契約が必要で数千円という大きな値段差が生じてしまっています。今までは、それでも個配を頼む人がいましたが、今後は維持するのが難しくなることは間違えないです。
朝刊契約数の推移
全国主要紙の朝刊販売部数の推移を見つけたのですが、2010年ごろと比較すると2019年では読売新聞や朝日新聞で2割程度の減少がありました。各社とも今後も朝刊購読者の減少
傾向は続くことを前提として事業継続のための戦略を練っているのだと思います。そのステップには個配の維持が難しくなるラインに関するクリティカルポイントについても予測されているものと思います。
インターネットが普及したことが大きな産業構造の変化が続いています。新聞に関してもこの産業構造の変化の影響から逃れることはできません。
新聞を読んだ方が良いという主張
ネットで新聞離れがどの程度起こっているのかを調べてみると、池上彰さんが書いた「ネットがあれば新聞不要と思う人に欠けた視点」という東洋経済の記事がありました。
書いてあることはよく判るのですが、ネットと新聞を対極において論じている部分に違和感がありました。ネットと対極に置くのであれば「紙の新聞」です。新聞に掲載されているコンテンツの内容に興味を持って読み、そして自分の頭でよく考えることが大切だと思うのですが、それは別に電子版の新聞でもできることです。
電子版は画面ディスプレイのサイズの限界もあり、記事全体を俯瞰して読むような読み方には向いていませんが、最近ではディスプレイサイズも大型化していますし、SmartNews等に代表されるように読みやすいアプリも登場しているので、今後は電子版でも改善されていくことは間違えないです。
安く良質な記事を読める仕組み
新聞に掲載されているコンテンツには事実を伝えるだけの速報性のものから、記者の方や論説委員の方がしっかり分析して掲載している読み応えのある記事までいろいろなものがあります。すでに事実を伝える速報性の高いコンテンツはインターネット上で多くの紹介があり、無料コンテンツとして掲載されることが多いと思います。逆に読み応えのある記事については有料コンテンツとして公開されていることが多いです。
特に興味を持って読んだ方が良いのは後者の有料コンテンツですが、さすがに今のままでは高額すぎるので、サブスクリプションサービスへの登録等、次の段階に移ってほしいと思っています。
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