毎年、この時期になると廉価版のiPhoneが発売されるのではないかという噂があちこちで囁かれはじめます。米国Apple社は廉価版のiPhoneとして新発売したのは、実質的には2016年発売のiPhone SEが最後で、それ以降はiPhone7やiPhone 8といった型落ち品を実質的な廉価版iPhoneとして発売してきたためです。
現時点では最も安い機種はiPhone8で449ドルからラインナップされています。現在は韓国のサムスンをはじめとして、中国企業も含めて400ドルを切る高機能、高級感のあるandroidスマホが各種発売されています。iPhoneを購入せずにandroidスマホを購入する消費者が増えています。
日本でも回線料金とスマホ本体料金を団子にして、スマホ本体は2年間にわたって利用すると大幅に割り引かれる、または実質無料になるといった価格体系が維持されてきた関係で、高価なiPhoneを買い求める消費者が多い傾向がありました。したがって、Apple社としては日本の消費者は良いお得意様になっている傾向がありました。しかし、総務省が判りにくい料金体系にメスを入れて、回線料金とスマホ本体の料金を分離させたり、過度なスマホ本体の割引を禁止したり、中途解約時の違約金を大幅に減額させたりといった指導を実施し、この日本でも高いスマホは売れにくくなっています。したがって、Apple社がこれからもシェアを維持するためには廉価版の機種を投入することは必須なのではないかとみられていました。
今年はブルームバーグ通信社が3月になったら廉価版のiPhoneの新機種が発表されると報道しました。Apple社からは何も正式なリリースはありませんので、新機種の名前や価格は明らかになっていませんが、iPhone9になるのではないかとか、価格はiPhone SEと同水準の400ドル前後からのラインナップになるのではないかといった予測があります。
画面の大きさは2017年に発売されたiPhone8と同水準の4.7インチ、安価な液晶パネルを用いることで価格を抑えるのではないかと報じられています。ただ、Apple社にとってはスマホ本体の原価率をよくすることも大切ですが、一定以上のシェアをとって、音楽コンテンツ配信サービスやappストアー等、サービスビジネスでも収益を上げていかなくてはいけません。安っぽい端末を出して企業ブランドを価値を低下させることはあまり得策ではないと思いますので、安価な液晶パネルと言っても他社に見劣りするような製品にはならないのではないかと思いますs。
ただ、例年、iPhoneSE2が発売されるのではないかと噂され、結局はAppleの発表会では取り上げられなかったということがもう何回も繰り返されてきました。ある意味、数年前に日本経済新聞がNTTドコモがiPhoneを発売すると報じ続けていた時期とも似ています。ただ、結局はNTTドコモがiPhoneを発売したように、Apple社が廉価版iPhoneを発売する時期もそろそろ近いのかもしれません。
【2021/01/24追記】
結局、2020年にiPhone SE(第二世代)が発売されました。デザインは基本的にiPhone7やiPhone8と共通、ただ処理能力はiPhone11なみに強化されたマシンとしての登場です。値段は5万円弱で販売されているので、とても手に入れやすいモデルになりました。そんなiPhone SEをiPhone7からの乗り換え用として先日購入しました。こちらでレポートしています。
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