タイムとコストのマネジメント 「進捗は2週間遅れ、コストは予定通り」

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先日、あるプロジェクトの進捗状況を確認しているときに、「進捗は2週間遅れですが、今日現在の計画コストは超過していないので、コストは予定通りです」という報告がありました。この報告を聞いていて、この人は進捗の進み遅れとコストの予実を結び付けて考えていないのだなと直感しました。

このプロジェクトは20人程度の小規模なプロジェクトだったのですが、1人当たりの1カ月間の労務費を80万円とすると、2週間分の労務費は800万円になります。したがって、現時点でコストが予定通りであったとしても、進捗を予定通りに戻すためには800万円分のコストがかかり、その分はコスト超過ということになります。

EVMのように価値換算して、PV、EV、ACで比較すれば一目瞭然ではあるのですが、EVMマネジメントは日本ではあまり定着していていないので、進捗、品質、コストをそれぞれバラバラに評価しがちになっているのでしょう。(外国では定着しているのでしょうか)

プロジェクトが10人以上程度のプロジェクトになってくると、2週間の遅れを各個人の頑張りだけで回復するのは難しくなってくるので、新たな人財の投入等も必要になってきます。品質についても同様でプロダクトの品質向上作業等が必要となれば、もともと計画されていた作業とは別に新たな作業が必要となるのでコスト影響が大きいです。

日本人は「頑張って遅れを回復します」等の精神論的な耳障りの良い言葉を聞くとそこで安心してしまうことも多いのですが、今一度、そのときの状況を冷静に判断して、人的資源やコストにはどのように影響するのかをよく考えることが大切です。

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