ダイヤモンドオンラインに「キャッシュレス還元祭りに踊らされ、搾取される人の残念な傾向」という記事が公開されました。かなり刺激的なタイトルではあります。
私自身は様々なバーコード決済で還元を受けてきたので、どのように搾取されているのか興味があり記事を読んでみました。
一つはいろいろなバーコード決済に手を出し、各社のキャンペーンで順番に還元を受け、その還元されたポイントや残高をもとに次の買い物をするという無限消費ループになっていないかという指摘です。還元されるポイントや残高は期間限定になっていることが多いので、この状況に拍車をかけるという警告でした。
二つ目は以前よりもコンビニでの買い物を増えていないかという警告です。コンビニはスーパーなどと比較すると商品の値段がほぼ定価で値引きがないので、キャッシュレス還元で2%の割引を受けたとしてもスーパーなどで購入するよりは実質的に高額になってしまうので注意が必要です。
三つめは必ず還元事業の対象になっている店を探して入っていないかという指摘です。記事を読んでも今一つこれのどこが悪いのかは読み解けませんでした。
四つ目はポイント還元の開始後にクレジットカードを新しくつくったという指摘です。例えば、PayPayはYahoo!JAPANカードを紐づけてそのカードで決済をすると還元額が増えるので、Yahoo!JAPANカードを作ったというような場合に相当します。
五つ目は気づくと最近、現金決済をしていないという指摘です。キャッシュレスにすると現金のときよりもお金を多めに使ってしまうことが調査で分かっているようです。確かに財布の中の残り少なくなった紙幣などを見ると、購買活動に対して高い抑止力があることは身をもって体験しています。
六つ目はマイナンバーカードに興味がわいてきたという指摘です。これも何が悪いのか、記事の内容からは読み解くことができませんでした。
この記事を読む限り、特に搾取と大きく関係しそうな内容は五つ目の現金決済よりも電子決済の方がお金を多く使ってしまう傾向にあるという点でしょう。ただ、個人個人が消費するお金を増やすことで経済活動がより活発になる面もあるので、一人ひとりが過度に使いすぎることがないように自制をして消費をすること自体は経済にとって良いことでもあります。
日銀が12月30日に発表した決済動向によると、10月の電子マネーの利用件数は前年の同月と比較して8.5%増の5億5100万件で、決済金額に関しても8.8%増の4943億円になったと報じられています。ここでいう電子マネーとはスイカ、楽天Edy、WAON、nanacoなど事前に現金をチャージして使うIC型の電子マネーを対象に調査し、PayPayなどのQRコード決済は対象にしていないとのことです。バーコード決済も含めればさらに利用率は上がっているかと思います。
今回のキャッシュレス還元事業や各社のキャンペーンがどのように経済活動に対して影響を与えていくのか、その動向が気になるところです。
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