東洋経済に気になる記事が載っていました。中国および韓国で生産している部品供給の遅れや在宅勤務での利用を背景にパソコンやテレビに4月以降の在庫切れの懸念が出てきているようです。また米国の調査会社IDCは2020年のスマートフォン世界出荷台数の予測を下方修正しています。
モノが供給できなくなるリスク
最大の市場である中国が新型コロナウイルスで打撃を受け、他の地域も工場閉鎖や物流、部品不足などの影響が出ることを理由にあげています。自動車についても同様に販売台数が落ちるとしています。
グローバル化が進んだことで一つの製品を製造するのにも色々な国で作っている部品を利用している場合も多く、ある国で部品の出荷が困難になるような状況を迎えたときにどんな製品にその影響が波及するのかが判らなくなってきました。
2011年10月にタイで発生した大洪水の時は特に大きな被害を受けたのがハードディスクおよびその部品の製造工場でした。米国ウエスタンデジタル社とシーゲートテクノロジー社が大規模な工場を持っています。ハードディスクの品不足は翌年まで続きました。この品不足によりHDDの価格が高騰しただけではなく、そのHDDを利用する2012年春モデルのパソコンにまで影響を与えました。
このような災害に備えて、一つの国の生産拠点に集中させずに複数の国に工場を持つなど、その後、対策は進められてきています。しかし、今回の新型コロナウイルスについては複数ヵ国に影響を与えているので、今後の動向を注視しなければいけません。
需要が減るリスク
しかし、逆にモノが売れなくなるのではないかという見通しもあります。昨日あたりから、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐための取り組みは年内いっぱいは必要なのではないかという専門家の発言も出てきています。
これが事実であれば、オリンピックへの影響が心配です。もし、中止や延期になるようなことがあれば、買い替え需要が発生すると予測されている高付加価値なテレビや白物家電などの売上に影響が出るかもしれません。
今回の新型コロナウイルスに関しては、近年では経験したことがない出来事なので、なかなかこの先のことが見通せないことと、部品の提供者と提供を受ける側の関係がより複雑になっているため、どの国で何かあるとどんなところに影響が出るのかも読みにくい状況です。
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