東京都の新型コロナウイルス感染症対策サイトがクールな出来栄え

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東京都が3月4日(水曜日)に新型コロナウイルス感染症対策サイトを公開しました。

新型コロナ保健医療情報ポータル 東京都保健医療局

このサイトは東京都が入札等により業者を選定し調達したのではなく、Code for Japanというプログラマーの非営利団体が発起人となって開発されている点です。東京都の副知事には元ヤフー社長の宮坂学氏が就いていることもあり、Code for Japanのボランティアエンジニアの活動が行政に活かされやすかった点があるようです。行政が作ったサイトはそれと判る特徴がありますが、この感染症対策サイトはとてもクールなデザインです。

このサイトはネットでも評判になりました。それは台湾のIT大臣、オードリー・タン氏も作業に参加したためです。オードリータン氏は台湾でマスクなどが買い占めされないように保険証のIDを利用して一人の人が購入できるマスクの量を制約するシステムを短期間で開発し活用することを指揮したことでも有名になっています。

このサイトを構成するプログラムはGitHubというプログラムの公開スペースにあり、複数のエンジニアが協力しながら内容のレベルアップを積み重ねています。このGitHubでは誰がどの部分を開発しているか、あとどんな問題が残っているかといったことが表示されており、複数人での作業をサポートする仕組みが整っています。

オープンソースであるソースコードは他の自治体でも利用することが出来ますので、民間の有志が北海道版を作ったほか、神奈川県が東京都のコードを活用して神奈川県版を公開しています。今回のコードはMITライセンスというもので、ライセンスの全文掲載と著作権表示をすることで無料で自由に使うことができます。

このサイトではいくつかのグラフが掲載されているのですが、その中でも都営地下鉄の利用者数の推移というグラフに興味を持ちました。1月20日から24日の利用者数を基準としたときに、その後の週でどのように利用者数が変化しているのかを示したグラフです。3月9日から3月12日の期間では7時30分から9時30分の間に都営地下鉄4路線を利用した人は基準よりも25%近く減少しています。それだけ、満員電車が解消されていることになっていることも手に取るようにわかります。

都庁来庁者数の推移というグラフも出ていました。こちらは多い時で2万7000人くらい、直近では2万2000人くらいになっているようです。

今まで住民が行政サービスを手伝う場合は、清掃作業を手伝う等の活動が頭に思い浮かびますが、これからはITの力で行政サービスを支援するような取り組みも増えていくのではないでしょうか。

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