最近の新聞記事を読んでいると、今まで進んでこなかった改革が一気に進みつつある気配を感じます。テレワークやテレビ会議の導入が一気に進んだ働き方改革はもちろんのことですが、教育制度改革や医療制度改革の議論も大きく進んでいるように思います。
教育制度に関しては遠隔教育の規制改革が進みそうです。大学や高校における講義の単位数の柔軟化、小中学校における一人一台のパソコン整備がその筆頭にあげられるでしょう。遠隔で教育する際の教科書に関する著作権許諾をどうするかといった課題もあるそうです。今のままの規制や制度を存続させると、集合形式での授業再開が遅れてしまうと、学力で遅れを取ってっしまうほか卒業や進級に支障をきたしてしまうかもしれません。
医療に関しても医療機関での対応が困難になったときのために備えて、オンライン診療を初診から認めるための検討に入っていることが報じられています。対面での診察は待合室などにおける院内感染の発生や医師が罹患する恐れがあるため、医療体制を維持するためには大切な検討だと思います。正確な診療ができるか否か等、課題も多いと思いますが、もしも感染者が今後も増え続けた場合は軽症者の対応で医療崩壊を起こすのはもってのほかなので、課題をクリアしていけると信じたいです。
一方でビッグデータの活用などIT活用に向けた検討も進んでいます。すでに、厚生労働省ではLINEと提携して、健康状況のアンケート調査を3月31日から実施しています。LINEの利用者は8300万人もいるので、国民のかなりの数を網羅した統計数値を得ることが出来ます。定期的にアンケートを繰り返すことで、どの程度の人が罹患している可能性があるか統計数値的に把握し対策を先手で打っていけるものと思います。
さらに、総務省では携帯電話大手各社やIT大手企業に対して保有するビッグデータの感染拡大に向けた対策のために提供するように要請を実施しました。携帯の位置情報を元にした人の移動データや検索キーワードなどから集団感染発生をつかむことなどに役立てるとしています。検索履歴がどんなことに役立つのか判らなかったので、さらに調べてみると、例えば「マスク」や「発熱」とに関する単語など新型コロナウイルスに関連する検索履歴を解析することで物資や情報への需要が可視化されることを期待しているとのことでした。
位置情報や検索履歴に関しては個人を特定できない情報として取り扱われるのでプライバシー上の問題はありませんが、以前であれば政府がこのような情報に触れることに嫌悪感があった人から見ても、今の新型コロナウイルスの感染拡大状況から考えれば活用を望む人の割合が増えていることは間違えないと思います。
シンガポール政府では感染者が発生した場合に濃厚接触者を迅速に探し出すことができるアプリの提供を始めたというニュースもあります。アプリを搭載したスマホに残っているデータから、「感染者と最近、2メートル以内で30分以上接近した人」を割り出すことができるそうです。日本ではこのアプリは言語を日本語対応することでそのまま使えそうな気もします。
今年の初めごろには当たり前には行われていなかったことが、今年の後半にはずいぶん変わってきているのではないでしょうか。
コメント