星野リゾートが提唱している「マイクロツーリズム」という取り組みが面白いです。旅行というと、海外や国内の遠方に行くことをついついイメージしてしまいますが、何も遠くに行くだけが旅行ではありません。
もしも、旅をする目的が「日常生活を一時的に離れて自己を見直す」という定義だとすれば、目的地は遠方であるか近場であるかは大事なパラメーターではありません。日常との違うことを体験できるか否かがポイントになります。「美味しいものを食べたい」という目的であったとしても同様に遠い近いは関係ありません。
近隣への小さな旅行
特にコロナ感染拡大の驚異の中で旅をするのであれば、遠くに行くこと自体がリスクの高い行動になってしまいます。そこで、星野リゾートては近隣への小さな旅行を推奨しています。
確かにリゾートホテルで寛ぐのであれば、何も遠方にこだわる必要はありません。上げ膳据え膳でゆっくりと楽しむ食事や温泉など楽しみはたくさんあります。
また、星野リゾートの施設ではその土地ごとの料理や文化にも触れ合うことができて、もしかすると近隣ではあったとしても今まで見落としていたものを新たに発見することもあるかもしれません。
星のや東京
例えば東京に住んでいる人であれば、「都内で心も身体もリフレッシュする温泉旅館滞在」として、「星のや東京」を提案しています。自家用車やタクシーで他の人とはあまり触れ合わずに直接施設にチェックインして、三密を回避しながら、食事や温泉などを楽しむことができるそうです。
佐倉市の取り組み
この流れは自治体にも及んでいて、たとえば佐倉市の公式サイトでマイクロツーリズムを勧めるページが公開されていました。文化芸術コースとして3種類、他に佐倉グルメを紹介しています。
佐倉市も首都圏から見ると、「旅行」というほどの場所ではなく、日帰りで気軽に訪問できるところというイメージが強いです。しかし、私たちが生活している日常空間とはまったく異質な空間なので、泊りがけで行っても確かにいろいろな経験ができるかもしれません。
ユニバーサルスタジオジャパン
最近、ユニバーサルスタジオジャパンがオープンしましたが、大阪市民のうち年間パスポートを持っている人だけを対象にして営業をしています。今後、段階的に拡大していきますが、これも近場の人を対象にしているということで、マイクロツーリズムと言えるでしょう。
海外旅行はまだ先
各観光地に外国人観光客が戻ってくるのはまだまだ当面先です。私達が外国に気兼ねなく旅行に行けるようになるのも、少なくともワクチンが出回るようになってからでしょうか。オリンピックの直前あたりまでかかってしまうかもしれません。
それまでは、各観光地は近場のお客さんで盛り上げていく、マイクロツーリズムが大切になります。昭和の時代までは新幹線などの交通機関も今ほどは発達しておらず、近場の旅行を楽しんでいたと思います。しばらくはそんな雰囲気が続くことになるでしょう。国が観光業の応援対策として割引クーポンを発行しますが、マイクロツーリズムで賑わうのではないでしょうか。
【2024年6月3日追記】
コロナの収束と旅行の復活
猛威をふるっていた新型コロナウイルスも今ではほとんどその話しを聞かなくなってしまいました。現在では普通に外出や旅行を楽しむことができるようになっています。
このエントリーを公開した当時のような、マイクロツーリズムという言葉を聞く機会も減ってきました。コロナ禍前のように、海外旅行や遠方に旅行する人が増えたためです。
しかし、東京から100~200Km程度離れたエリアは魅力が大きいところが多いと思います。エントリーの中でも触れた佐倉市のほか、秩父、身延、御殿場、伊豆、箱根等、気になるところが多いです。コロナ禍が終わった後もこの辺の地域をゆっくりと回りたいと思います。
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