今までは楽天モバイルのRakuten UN-Limitのサービス提供エリアは非常に限定的であったため、楽天自営網が無い地域ではauと業務提携をして、通信サービス(ローミング)の提供を受けていました。楽天モバイルの利用者から見ると、特に楽天自営網かauの通信網かを意識することは無く、そのエリアの電波状況に応じて自動的に切替が行われます。楽天UN-Limitのサービスが開始する前にauとの提携を楽天が発表したときには、将来はauにとって大きなライバルになる楽天に対して、塩を送るような決定にとても驚きました。
楽天モバイルはauから2019年10月1日から2026年3月31日までローミングの提供を受けることになっていますが、ローミング提供エリアについては、都道府県ごとに楽天自営網の人口カバー率70%を上回った時点で両社の協議を以て各都道府県のローミング提供の継続・終了を決定できることなっています。楽天モバイルが力を付けてきたので、いつまでもauがローミングサービス提供を続けることは好ましくないという判断があるのでしょうか。または、楽天モバイルからauに対してローミングの終了を申し出ているのかもしれません。(日経Xtechの「楽天がKDDIとのローミングを一部で終了へ、苦しいとはいえ本末転倒では」という記事を読むと、楽天側が経費削減のために一部地域でのローミングサービス終了を申し出ているような印象の記事になっています)
今回、この都道府県ごとの判定において、2020年10月以降に下記の地域でauからのローミングサービスが終了しました。
・東京都の一部(東京都については2021年3月末に原則終了)
・大阪府の一部
・奈良県の一部
今回、東京都の一部においてauのローミングサービスが終了したことに伴う影響を感じる場合が多くなってきました。特に楽天自営網とau網が切り替わる周辺の地域での出来事が多いです。道を歩いていると数百メートルにわたってアンテナが一本も立たずに通信が途絶える場所がいくつかの地点であります。例えば井の頭公園の西園の付近もその一つです。歩いていると、なぜか数百メートルにわたって通信ができなくなりました。
インターネット上で影響がどの程度出ているのか調べてみると、新宿歌舞伎町や東京都小平市などでも一部の地域で通信ができなくなっているようです。
auの公開情報を見てみると、auが楽天に対してローミングサービスを提供しているエリアとローミングサービスを順次終了するエリアを示す地図が公開されていました。これを見ると、井の頭公園の西園付近、小平市などはローミングサービスの提供を中止するエリアに該当していました。具体的には東京都では次の地域でローミングサービスを一部終了しています。
八王子市、立川市、武蔵野市、三鷹市、青梅市、府中市、昭島市、調布市、町田市、小金井市、小平市、日野市、東村山市、国分寺市、国立市、福生市、狛江市、東大和市、清瀬市、東久留米市、武蔵村山市、多摩市、稲城市、羽村市、あきる野市、西東京市、瑞穂町、日の出町、奥多摩町、神津島村、小笠原村
次に楽天モバイルのエリアマップを確認したところ、特に東京都内でパートナーエリアだったところが、2021年1月末までに楽天自営網を整備する青色に変わっている地点が増えていました。auのローミング終了に伴い、工事予定を極力前倒しにしているのかもしれません。
auがローミングサービスを終了していけば、逆に楽天は自営網の充実に力を入れていくことになります。現在、楽天が発表している通りに自営回線エリアが広がっていけば、Rakuten UN-Limitの競争力はかなり上がるのではないかと思います。
【2021年4月12日追記】
現時点では楽天モバイルの基地局が増えて、私が利用しているエリアではかなり通信状況が改善されました。十分に利用できるサービスになってきていると思います。かなり急速にエリアが拡大しているので、今後に期待できます。
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