NECが主流のスーパーコンピュータよりも値段を100分の1に抑えた100万円のスーパーコンピューターの事業に乗り出すことを日本経済新聞が報じていました。
ベクトル型演算装置
プロセッサの演算方法にはスカラ型とベクトル型の二種類があります。普通の事務に使うパソコンやコンピューターはスカラ型が主流です。今回のNECの製品はベクトル型を採用しています。ベクトル型は大量のデータをまとめ大規模なデータの並列処理に向くとされています。
システムインテグレーターやサーバーベンダーにVE(カード型ベクトルエンジン)単体を販売しパートナーを通じて中堅、中小企業などに市場拡大することが狙いだそうです。販売価格は最小構成で114万4000円から、VEを2021年1月から出荷し3年間の累計で100憶円の販売を目指すとしています。
従来はNECとしてはVEをNECの専用サーバーに搭載してベクトル型スパコンとして大学や研究機関、大手の製造業などに提供してきました。超大規模なスパコンとしては地球シミュレーターがあります。しかし、近年、DXが浸透してきたことにより、AIを活用する企業が増加して市場が広がっているため、VEを単体で販売することにしたそうです。
カード型VE
今回販売されるVEはPCI Express規格サイズのカードに単一コア性能や単一コアメモリー帯域を持つコアを8個内蔵しています。単一コア当たりの処理性能とメモリ帯域は世界トップクラスだとNECでは語っています。1枚のVEで2.45テラフロップスの演算性能、毎秒1.53テラバイトのメモリー帯域を備えています。
この先、一つの部署に一つのスーパーコンピューターもしくは一つの案件に一つのスーパーコンピューターが簡単に購入できるようになり、私たちの身の回りでもAIを使ったサービスの開発や活用の事例がどんどん増えていきそうな予感がします。
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