楽天が12月期の決算で過去最大の準損益1141億円の赤字と発表しました。2020年4月から本格的に参入している携帯電話キャリアの事業が業績に大きく影響しています。
楽天の携帯電話事業は契約後1年間は無料というキャンペーンを実施しているので、売り上げがほとんどあがっていません。にも関わらず、日本全国に基地局を設置するための工事を実施しているので、投資金額が莫大になっています。したがって今季は赤字になることは折り込み済みでした。
申込者数は新プランの発表をした1月29日に230万超だったものが、2月9日時点では250万と驚異的な伸びをみせています。やはり、新プランでは驚くような低価格、シンプルなプランを提示できたのが良かったのだと思います。うちの家族も次々と楽天モバイルへの乗り換えが進んでいます。
2021年4月以降は徐々に一年契約した人が有料の契約に移っていくため売り上げが徐々に上がっていくはずです。ただ、基地局を全国に設置する莫大な費用を回収するには至らず、当面は携帯電話事業の赤字は続くものと思います。
一方でネット通販事業は巣篭もり需要の拡大で好調だったとのことです。前期比15.2%増の1兆4555億円の売り上げで、過去最高でした。
今回は過去最大の赤字になったとは言え、業績不振が原因ではなく、新規事業の確立に向けた投資が要因と完全に原因が明らかになっています。あとは、この新規事業が成功するかどうかに、楽天の今後はかかっていることになります。
携帯電話事業が軌道に乗るまでにはまだ当面の時間がかかるものと思いますが、EC事業や金融事業でなんとか持ち堪えてほしいと思います。
【2021/02/14追記】
基地局整備は1兆円規模に上昇
楽天は2025年までの基地局整備に必要な投資額を当初想定の6000億円から3割から4割程度増やすことを明らかにしました。当初、6000億円という投資額が報じられた際には他の携帯電話関係者からはその金額では済まないはずだという指摘がありましたが、それが裏付けられた形になります。
楽天の三木谷社長は記者会見の中で「当初想定していた加入者数ならば6000億円で済んだ」としています。
料金プランが値下げされて投資額が増えた形になるので、損益分岐点がいつになるのかが気になります。楽天としては新たなプランの導入により、時期は変わらないかまたは前倒しになるとしています。
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