70歳まで正社員と同じ処遇で働けるTIS株式会社の人事制度

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日本では少子高齢化が進展していく中、年金財政の破綻や働き手不足に陥ることなどが心配されています。政府においては70歳までの就業機会の確保を企業の努力義務とする高齢者雇用安定法の改正が行われます。

そんな社会環境の中でTISインテックグループのTIS株式会社が70歳まで基本給も賞与も正社員と同じ処遇が受けられる人事制度を2020年度に導入したことが日経XTECHで紹介されていました。興味があったのでさらに調べてみると、一定条件を満たす従業員を対象としていて定年前と同じ処遇で70歳まで雇用するとのことです。(2019年度にはそれまで60歳だった定年を65歳まで延長。当時は再雇用後の契約社員は賞与がないどの仕組み)

TIS株式会社は総合ITサービス企業として幅広い業界に対してITサービスを提供している会社です。長年培ってきた技術を70歳まで活かしてほしいという思いがあるようです。従業員数は連結で2万人弱、単体でも5000人以上とかなり大きな会社です。

このTIS株式会社の処遇について更に詳しく見てみると、基本給、各種手当、賞与、昇給・降給・昇格、勤務形態は60歳までと同じ、ただし雇用契約は年度ごとの有期雇用となるようです。記事にはそこまで書いていませんでしたが、同じ処遇とは言っても、ある一定期間ごとに評価があって、その業績成果によって正社員と同様に給与が上がったり下がったりする仕組みもあるのではないかと思います。したがって、期待する成果をあげられなかったら正社員の標準的な水準よりも給与が下回ることもあるのでしょう。

「一定の条件を満たす」社員が対象となっていて、この一定の条件が何を指すのかはわかりませんでした。ただし、この条件を満たす人は今後の5年間で50名を超えると予測しています。

今後も少子高齢化の波は続いていきますので、現時点では高齢者雇用安定法では企業への努力義務であったとしても、将来は雇用の義務に変わっていくものと思います。また、年金が標準通りに貰える年齢も65歳から70歳に変わっていくことになるでしょう。

各企業とも70歳まで社員を雇用する仕組みを考えていかなければいけない時代に突入しますが、TIS株式会社の取り組みは一つの例として興味深いものだと思いました。

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