法案のミス混入を一太郎の責任に転嫁するのはおかしい

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最近、政府内で作成される法案にたくさんのミスが混入していることを受けて、農林水産省では一太郎を原則利用しないことが指示されたことが報道されていました。日本製の優れたワープロソフトを、日本国政府が先頭に立って排除するのは本当におかしなことだと思います。

以前、まだWindowsが普及する前の時点では、ワープロソフトとしてジャストシステムの一太郎が非常に普及していました。その後、Windowsの普及とともにMicrosoft Officeが乗り込んできて、ワードを利用する人がどんどん増えて行きました。

WindowsにOfficeがバンドルされた状態でパソコンに入っていることが多かったので、それだけMicrosoft Officeに触れる機会が多かったためだと思います。(Microsoft Officeは単体の製品を買うと高いですが、バンドル版はとても安くメーカーに卸されています)

Microsoftでは今までもWindowsを武器に色々なソフトをバンドルすることで他のソフトウェアメーカーを脅威にさらしてきました。Windows95では別売りとはなりましたがブラウザがセットになるようになり、ネットスケープナビゲーターが打撃を受けました。

現在はウイルス対策ソフトがWindowsに組み込まれたことを受けて、各種ウイルス対策ソフトの会社が対策に乗り出しています。

このように、特にジャストシステムの一太郎が特に機能や操作性が劣っていたわけでもないのに、Microsoftの Officeが日本国内で浸透していくことに対して、政府はなんの国内事業の振興策も講じずに単に流れにのって省内の事務でもMicrosoft Officeが使われて行きました。政府が自国の産業をどう育成するかという視点に欠いたことも一因となって、日本におけるバブル後の失われた20年が起こったのではないかと思います。

同様のことはパソコン用のソフトウェアに限らず、サーバーにインストールするデータベース管理システムにOracleが採用されて、日立や富士通が開発している製品はあまり採用されていないところからも感じます。

これから先、ソサエティ5.0に向けて政府が自国のIT産業にハッパをかけても、結局はクラウドはAWS、Microsoft azureといった形で自国の製品を選んでいかなたかったら結局は掛け声だけで終わってしまうのではないでしょうか。

政府は単にワールドワイドのデファクトスタンダードという側面だけに着目せずに、消費者に提供したいサービスと照らし合わせて機能面、非機能面、価格といった側面で適正に製品を比較検討するべきでしょう。

安易に一太郎禁止を通知する農林水産省の動きを見て、そんなことを考えていました。

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