韓国のLG電子は4月5日にスマートフォン事業から撤退することを発表しました。LGは韓国のソウル市に本社を置き、LGグループの中核をなす総合家電、情報通信メーカーです。韓国の電機業界ではサムスン電子に次ぐ大企業という位置づけです。
Wikipediaを調べてみると、世界携帯電話市場の占有率の世界シェアでは、2010年度時点ではLGエレクトロニクスは世界3位でした。2010年代後半には、他社製品に圧されて収益が悪化していきます。2020年4月 – 6月期まで21期(5年)連続で営業赤字を出す形になってしまいました。中国で製造されたコストパフォーマンスの高いスマホにシェアを奪われた結果です。
LGは北米や中南米、韓国を中心に世界でスマホを販売しています。日本でもau、ドコモ、ソフトバンク、ワイモバイル、楽天モバイルなどがそれぞれ扱っています。2020年12月期の販売台数は約2500万代で売上高は日本円にして約5100億円でしたが、2015年から6期連続の赤字で累積赤字は5000億円もの規模に膨らんでいました。
事業を他社へ売却する選択肢もありましたが、LGが持っている自社の技術が他社へ渡ってしまうことになるので営業停止という道が選択されました。スマホ事業にかかわっている従業員は家電やテレビなどの他の部門への異動を進めることとなっています。
スマホはコモディティ化されてきていて、付加価値を付けた高級な製品を投入することが徐々に難しくなっていて安値合戦が繰り返されるような格好になっています。androidというOSを搭載すれば、ソフトウェア的な付加価値の差はなくなるのであとはハードでの付加価値が付くかどうかということになりますが、CPUの高速化、メモリの大容量化等、できることは限られてきておりメーカーごとの差異はなくなってきています。
LGも2014年にはスマホ関係の売り上げがピークになっていましたが、その後は、中国のファーウェイ、シャオミ、オッポなどのブランドにおされてしまいシェアを落としてしまいました。
日本でもシャープやソニーといったメーカーがスマホを販売していますが、やはりシェアの確保に苦しんでいます。
スマホに代わるヒューマンインタフェースをつかさどるデバイスが次は何になるのか、そこで次のゲームチェンジが起こるのではないかと思います。
コメント