米Apple社が従業員へ週3日間の出社を要請

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最もフレキシブルな働き方を受容しそうな雰囲気のある米国のアップル社ですが、2021年9月上旬から少なくとも週に3日はオフィスに出勤することを要請するメールを従業員に送ったことが報道されています。少なくとも月曜日、火曜日、木曜日はオフィスに復帰し、水曜日と金曜日は従来同様にリモートワークを選択することができるとしています。

在宅勤務をするためにはマネージャーの承諾が必要になります。つまり、デフォルトの働き方は会社への出勤、そして承諾を得れば在宅勤務を週2回選択できるということになります。

また、従業員は年に2回は1週間を完全に在宅勤務にすることが認められるとのことです。これは家族や大事な人と過ごすため、気分転換のため、または突発的な移動の必要性への対応など自分の好きな理由で1週間の在宅勤務を選択できるとしています。

なぜ、週3日間の出社を従業員に求めたかについては、自宅からのビデオ通話では出勤時の環境を簡単には再現できないことをクックCEOは説明しています。逆にアップル社はリモートでも直接会って話すのと同じ以上の体験ができるような技術を開発することで世界をリードする会社だと思っていました。今回の保守的な動きについては、アップル社の企業イメージに与える影響も大きいと思います。

テレワーク

現時点ではほかのシリコンバレーの企業、フェイスブック、ツイッター、マイクロソフトなどは、ワクチン接種が進んでパンデミックが収束した後も従業員が在宅で勤務することを認めています。したがってアップルの従業員から見てもこのメールはかなりの驚きにつながったようです。

一部の従業員は在宅勤務をしたい場合はそれを認める柔軟な対応を求め会社側へ意見書を出しています。今後、従業員と会社側の間で議論が行われていく形になると思います。

新型コロナウイルスのパンデミックによって私たちも働き方に対する意識が大きく変わりました。また、私たちのお客様も直接の面会を求めなくなったため、テレビ会議が主流となり、移動時間の節約にもつながっています。このように新たな価値観を得たことで、新型コロナウイルスの感染拡大が収束した後も新しい働き方は定着していくものだと思っていました。

例えば、企業の多くがオフィスのスペースを縮小して、テレワークを前提とすることで、もはや会社には従業員分の就業スペースを確保していない企業も多くあります。すでに1年以上にわたってテレワークが標準の働き方になってきたことによって従業員の一部はオフィスから離れたところに引っ越している人もいます。

そんな状況の中で今回のアップル社の動きは、全体の流れに大きな影響を与えるのではないかと、少し心配しています。

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