デジタル庁はデジタルの活用により一人一人のニーズに合ったサービスを選ぶことができ、多様な幸せが実現できる社会を目指します。これは、デジタル庁(準備中)Webサイトの冒頭に出てくる平井卓也大臣の言葉になります。いよいよ、デジタル庁が立ち上がる9月1日が近づいてきました。
ビジョン
目指すべきデジタル社会のビジョンとして掲げられているテーマは3つあります。
(1)ライフイベントに係る手続の自動化・ワンストップ化
(2)データ資源を活用して一人一人に合ったサービスを
(3)いつでもどこでも自らの選択で社会に参画
原則
デジタル社会形成における10の原則はこちらの通りです。
(1)オープン・透明
(2)公平・倫理
(3)安全・安心
(4)継続・安定・強靭
(5)社会課題の解決
(6)迅速・柔軟
(7)包摂・多様性
(8)浸透
(9)新たな価値の創造
(10)飛躍・国際貢献
なんとなく、「なんでもやります」と言っているような気もします。本当は謙虚に耳を傾けて大胆に改革するような勢いが欲しいところです。
組織
6月4日時点で想定しているデジタル庁の組織体制も発表されていました。
4つのグループ
デジタル監の下に下記の4つのグループが付きます。
(1)戦略・組織グループ
(2)デジタル社会共通機能グループ
(3)国民向けサービスグループ
(4)省庁業務サービスグループ
(1)の戦略・組織グループは会社に例えると本社のスタッフ機能に相当するようです。
(2)のデジタル社会共通機能グループは、基準や標準を司るCoEチーム、デザイナーやエンジニア、セキュリティ、PM、行政人材などを抱える人財プール、品質管理、先端技術計画などの文言があります。デジタル社会を実現する上で必要な技術者などをこのグループに所属させるのでしょうか。
(3)の国民向けサービスグループは、フロントサービス、健康・医療・介護分野、教育分野、防災分野、地方活性化分野などの分野別組織になっています。ここで分野別に新たなサービスを創造するのでしょうか。
(4)の省庁業務サービスグループは大きく分けて、基盤システムのチームと各府省システムおよび独法システムのチームに分かれるようです。ここは既に存在する省庁や独法のシステムを統括していくのでしょうか。(3)との役割の違いがどうなるのかが、よく判らないです。
プロジェクト組成イメージとして組織図の一番下に、目的別にプロジェクトA、プロジェクトBといった具合にチームが立ち上がる図になっていました。
組織図の表現方法
よく企業の組織図にあるように、デジタル大臣やデジタル監などは一番下に配置して、一番上に国民、国民へのサービス提供としてプロジェクトA、プロジェクトBがあるような書き方の方が、デジタル庁の在り方を示すためには本当は良いのではないかと思います。
リソースの供給
国民向けサービスグループや省庁業務サービスグループが、提供するサービスを考えて、デジタル社会共通機能グループから人を出して貰うことでプロジェクトができるイメージを持ちました。このとき、いろいろ立ち上がるであろうプロジェクトに対して、デジタル社会共通機能グループが十分に人を送り込むだけのリソースを抱えられるかどうか、もし不足するようであればプロジェクトに対してどのように優先順位を付けるのかといったところが課題になると思います。(1)の戦略・組織グループがこの辺の仕組みを考え、プロジェクトを立ち上げる時には上位の方の承認をもらって進めていくことになるのでしょう。
9月1日に組織が立ち上がった後は具体的な目標が徐々に掲げられていくと思います。デジタル庁ができたおかげで、本当に便利な社会に変わったと実感できるような未来につながることを期待しています。
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