NTTドコモがホームルーターサービス(home 5G)とサービスを提供する機器(home 5G HR01:シャープ製)を8月下旬に提供することを発表しました。このサービス、もしかすると今までの光ファイバーによる常時接続回線のサービスを代替できる実力をもったサービスなのではないかと期待しています。
光ファイバーなど常時接続回線を敷設しようとすると、工事日を調整したり工事に立ち合ったり等、煩わしい話しがたくさん出てきます。しかし、今回のhome 5Gサービスは機器を入手したらコンセントに差し込んで部屋に置いておくだけで、携帯電話の電波をつかんでWi-Fiサービスを提供してくれます。契約は全国のドコモショップやドコモオンラインショップ、量販店でできるそうです。
料金
契約時の事務手数料は3300円、月額は4950円、解約金の設定はありません。光ファイバーの場合、キャンペーン等による割引は除いて、だいたい月額5000円前後で提供している会社が多いと思いますので、ほぼ対等です。
このサービスで使用できる端末は「home 5G HR01」(シャープ製)です。こちらの販売価格は店舗によって異なっていて、ドコモの直販サイト「ドコモオンラインショップ」での販売価格は3万9600円となっています。2021年8月27日発売です。
この装置に接続できるデバイスは下記のとおりです。
- Wi-Fi(無線LAN)デバイス:1201Mbps(Wi-Fi 6/IEEE 802.11ax利用時)
- 有線LANデバイス:1000Mbps(1000BASE-T利用時)
通信速度
気になる通信速度ですが、
・5G通信時
受信時最大4.2Gbps/送信時最大218Mbps
・4G通信時
受信時最大1.7Gbps/送信時最大131.3Mbps
少し、送信するときの回線速度が遅い点が気になりますが、Zoomなどで通常のテレビ会議をする程度であれば問題はないでしょう。グループビデオで1080P HDビデオの場合、必要な帯域は3Mbpsとされています。
一方でWi-Fiで接続する機器との間は、最大送速度1.2Gbps、有線LAN接続では最大伝送速度1Gbpsとなっています。こちらも実用上、まったく問題になることはないでしょう。
同時接続台数
このルーターの配下に同時接続できる機器の台数は、65台(Wi-Fi:64台、有線LAN:1台)とされているので、かなりゆとりをもった設計になっていることが期待できます。
住所とは紐づけ
契約時に届け出た住所以外で利用することはできません。設置場所を変更する場合には住所の変更手続きが必要になります。
データ通信の制限
インターネット回線の通信量は特に制限はありません。しかし、下記の条件に当てはまる場合は通信速度の抑制が行われる場合があります。
- ネットワークが混雑した場合
- 当日を含む直近3日間に大量の通信をした場合(しきい値は公開されていません)
長時間接続や一定時間内の連続接続を行った場合は通信を中断することもあるとのことです。報道によれば「5G向けのギガプランと同等」となる予定とされていました。
今後の常時接続回線
今までは自宅のパソコンなどでインターネットを使いたいときには、光ファイバーなどの常時接続回線を敷設するのが通常でしたが、5Gの登場でデータ通信速度が格段に上がり、モバイルデータ通信に余力ができてくると、光ファイバーをあえて選択する家庭は少なくなっていくように思います。今後の動向が楽しみになってきました。
【2021/09/03追記】
一括ゼロ円
エディオンなどで一括ゼロ円の販売も始まっています。さらに人気に火がつきそうです。
【2021/09/06追記】
実速度
実際に使った方のレポートがネットで公開され始めました。実速度はこんなレポートがあります。
これならば、動画の視聴も含めて快適に利用できそうです。
【2023年10月31日追記】
NTTドコモ回線に対する否定的な意見が増加
NTTドコモ回線に関して、「遅い」という否定的な意見が目立つようになってきました。従来はエリアの広さ、回線の速さともにNTTドコモの回線を選んでおけば心配ないという信頼性があったと思うのですが、非常に気になる状況です。
home5Gについても同様に回線速度が遅いという苦情の記事が出ていました。5Gエリア内であったにも関わらず、下りで30Mbps、上りで8Mbpsくらいしか出ないという報告です。
NTTドコモに問い合わせても、「現状で我慢してもらうしかない、品質向上に努めていく」という主旨の返事が返ってきたということでお手上げの様子が紹介されていました。
NTTドコモでは全国2000カ所で回線品質良くするための工事を実施することを発表しています。この結果でどこまで不満が解消されるかも気になるところです。
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