オリンピックはアスリートファーストではない

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今回のオリンピック、アスリートファーストが謳われていましたが、時期の面から考えると、まったくアスリートファーストではありませんでした。

特に男子マラソンでは湿度が80%、30人が棄権する過酷なレースになってしまいました。車椅子で運ばれた服部勇馬選手は深部体温40度以上、重い熱中症でも執念で完走を果たしましたが、命の危険もあります。

男子マラソンは午前7時のスタート時点で26度、ゴール時の午前9時頃で28度、湿度はスタート時に80%もありました。熱中症のリスクが非常に高い状況でした。

男子マラソンの前の日に行われた女子マラソンでは熱中症から選手を守るために、女子マラソン前日に急に開始が1時間前倒しの午前6時に変更されました。しかし、男子マラソンに関しては開始時間が見直されることはありませんでした。

そもそもなぜ、日本の気候の中でも最も暑い時期にオリンピックが開催されることになったのでしょう。1964年の前回の東京オリンピックでは比較的涼しく湿度も低い10月が選ばれました。当然の選択だと思います。

その4年後のメキシコ五輪も10月でした。しかし、今から30年以内に行われたオリンピックは7月、8月が選択されています。この時期はオリンピック以外に世界的なスポーツイベントが少なくて、テレビ局が視聴率を稼ぐことができて、スポンサーからも多くの資金を集められるからです。

他の世界的なスポーツイベントが理想的な時期に実施されているのに対して、オリンピックがその閑散期のスポーツに向かない時期に押し込められているというのは、なんとも皮肉な話ですし、アスリートファーストでもなんでもありません。あくまでもお金が優先された結果です。今後のオリンピックは開催国で最もスポーツイベントに適したアスリートの健康に配慮した日程が選ばれることを切望します。

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