昨年4月から本格的に第4のキャリアとして携帯電話事業を開始した楽天モバイルですが、2021年8月23日に、以前から実施していたMVNO(他社回線網)と昨年4月から本格的に開始したMNO(自社回線+パートナー回線:Rakuten UN-Limit)の合計の契約者が500万を突破したことを発表しました。
2021年3月末時点ではMNO単体の累計契約申込み数は351万回線、契約者数では289万契約でした。一方でMVNOの受付は2020年4月7日に終了していますので、その後に増えているのはMNOの契約者です。(私自身もそうでしたが、MVNOからMNOに切り替えている人もいますが、この場合は合計値の500万では1としかカウントされていないのでしょう)
MVNOとMNOの数値を合計して出すというのは、できるだけ大きな数でアピールしたいという気持ちもあるのかと思いますが、誤解を受ける部分もあります。MNOだけでもわずか1年余りで相当な契約者数を集めているので、MNOとMVNOの契約者数は分けてアピールしても良いと思います。
ただ、本当に投資家や消費者が心配しているのは、有料でMNOを使っている人がどの程度増えているかになります。1年や3ヶ月間の無料キャンペーン期間が終わって有料期間に突入している人も、月間のデータ通信量を1GB未満に抑えて月額基本料を無料にして回線を維持しているだけの契約者も相当数いるのではないかということを心配しているので、この辺の数字も今後は開示が求められるのではないでしょうか。
【2021年8月14日公開】
楽天モバイルが人口カバー率90%を達成!
現在、全国に携帯電話の基地局を急ピッチで設置し、4番目のキャリアとして確固たる地位を占めるべく投資を続けている楽天モバイルですが、8月11日の中間連結決算の説明会の中で人口カバー率が90%を達成したことを発表しました。
楽天では元々の計画よりも5年間前倒しして基地局の設置を進めるとして、21年夏までに人口カバー率96%をカバーすると発表していましたが、世界的な半導体不足の影響により計画は未達となり、21年夏で90%達成という結果になりました。
私自身、楽天モバイルの端末をサブ回線として利用していますが、確かに楽天回線エリアが広がったことがよく実感できています。私が日常利用する都内エリアでは殆どが楽天回線エリアになりました。また、通信エリアなのに通信が出来なくなるようなトラブルに遭遇したこともないので、回線のサービス提供品質は安定していると思います。通信速度も不満はありません。
昨年4月に本格的なサービスを開始したばかりなのに、わずか一年3ヶ月で人口カバー率90%を達成したのは素晴らしいことだと思います。すでに契約済みの基地局は96%を超えており年内には96%まで進捗する見込みだとしています。
楽天モバイルとしては自社の基地局が増えないとパートナー(KDDI)に支払う費用が増えてしまうので、やはり今後も自社エリアの拡大に力を入れていくと思います。
また、6月時点での楽天モバイルの契約申し込み数が442万台となったことも発表されました。
楽天モバイルの当期の損出は約1972億円、前年同期の損出は892億円でしたので倍以上に増えてしまいました。2021年4月をもって通信料金の1年間無料キャンペーンは終了していて、昨年4月以降に契約した人が順次有料になっていくため、通信費などの売り上げが計上されていくことになりますが、1GBまでは通信料が無料となる料金プランであるため、1GB未満に通信量を抑えているユーザーが多いと思ったように売り上げが上がらないことになります。
今後は442万台となった申し込み台数のうち何台で売り上げが上がっているのか着目されていくものと思います。
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