採算の悪化に伴い三菱電機もテレビ事業を大幅縮小

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 三菱電機は家電量販店向けの液晶テレビの出荷を終了したことを発表しました。タイで製造している「REAL」シリーズです。

東芝テレビREAL

 東芝製の製品を地域で販売する三菱電機ストア向けの出荷も2024年4月以降に終了するとしています。三菱電機ストアではテレビの需要が多いためしばらくは出荷することとしたようです。

 国内でテレビ事業をすすめている京都事業所は今後、再編成を実施していくことも発表されています。

 量販店では三菱電機のREALシリーズはかなりの安価で販売されていたので、経営的にはかなり厳しい戦いを強いられていたものと報道されています。

 今回は三菱電機からは消費者がスマホやタブレットで動画を楽しむ等、視聴スタイルが変化していることを理由にあげていますが、まだまだテレビを主たる情報源としている家庭は多いので需要は大きいので、採算がなかなか取れないことが大きな理由の一つだったのでしょう。

 三菱電機は1954年からテレビの生産を始めたので、既に70年近くの歴史がある事業です。液晶テレビは2004年から生産を開始しました。しかし、デジタル化の波が押し寄せてからはアジア各国から安価で高性能なテレビが日本に輸入されて販売されるようになったため収益性が悪化、生産拠点も海外に移していました。

 また、生産するテレビもハードディスクを内蔵した録画機能付きテレビに絞るなどしていましたが、厳しい状況をなかなか脱することはできなかったようです。

 テレビの販売シェアでは韓国のサムスン電子、LG電子、中国のハイセンス、TCLなどが上位を占めています。

 既に日立製作所は国内のテレビ販売事業から2018年に撤退、パナソニックも2021年に国内とブラジルからのテレビ販売事業から撤退するとしています。

 日本はブラウン管のアナログテレビが主流だった時代にはSONYのトリニトロンなど外国の企業では真似ができない技術を発揮していましたが、液晶やデジタル技術の到来により、比較的簡易に高画質のテレビを生産できるようになったため、テレビ価格が下がり続け、日本の会社は厳しい状況が続いています。

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