主にECサイトでの買い物にはクレジットカードを利用していたので気が付かなかったのですが、クレジットカードを利用しない後払いサービスが伸びているそうです。Buy Now Pay Lator(今買って後で払う)を略してBNPLとも呼ばれています。
元々はECサイトで商品を購入した際に商品と一緒または別便で届けられた紙の請求書や振り込み伝票をもとにコンビニや銀行などで支払う仕組みとして始まりました。クレジットカードを持たない消費者層やクレジットカードを利用したくない消費者、代引き決済を使っていた消費者層などがターゲットになっていたサービスです。例えば、メルカリグループのメルペイでは約3人に1人の人が後払いを使用しているそうです。メルペイスマート払い/メルペイスマートマネーのほかに、LINEのLINEポケットマネー、FamiPay翌月払いなどが既に国内で提供されています。
国内で後払い決済を進めている大手の「ネットプロテクションズホールディングス」が15日に東証一部に上場しました。BtoC(企業から消費者)向けの決済サービス市場で約40%以上のシェアを持っているリーディングカンパニーです。取引は下記の順番で進みます。
①注文・発注
②取引情報連携
③与信
④商品納品・サービス提供
⑤加盟店への立替払い
⑥購入者への請求書発行
⑦購入者からの支払
このフローの中で特に「与信」の部分が重要な役割を持っていることが想像できます。お金が支払われる前に先に商品やサービスを購入者に提供するため、いわゆる踏み倒しが発生しないようにすることが重要なポイントです。したがって、購入を申し込んできた人の信用力を確認する部分に大きなノウハウがあるのでしょう。
日本で既に展開しているサービスの中には、取引ごとに与信をするのではなく、アカウントを作成した時点でその人の与信枠を決定しているようなサービスもあるようです。アカウントをベースにして与信をすれば、従来の年収、資産、勤務先、家族構成といった属性データに加えて、ユーザーの中長期の視点で追跡した行動データも与信判断に加えることが可能になります。
自分の知らないところで自分の信用力が蓄積されていることは何か怖いことではありますが、良い行いを繰り返していけば信用力も上がり、出来ることが増えていくのは面白いことだと思います。デジタルを活用した一つの事例ということになるのでしょう。
今回東証一部に上場したネットプロテクションズ社で扱っている規模ですが、2021年第三期で加盟店の総数は約76000店、年間取引件数は約6600万件とかなりの数になっています。
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