ITシステム開発における瑕疵責任の範囲

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ITシステムの開発をしてお客様に納品しサービスを開始したあとに、プログラムの不具合などが原因でお客様にご迷惑をおかけすることがあります。

このとき、瑕疵責任の範囲で無償で、

  1. プログラムバグの改修
  2. 故障原因を深掘りしての横並び確認
  3. 横並びで摘出したバグの修正
  4. バグにより影響があった範囲の特定
  5. プログラムが汚染したデータの復旧
  6. プログラムの再走行

などを求められる場合が多々あります。

正常な納品物を保証する意味で、3番までは瑕疵の範囲で対応すべきものかと理解できるのですが、項番4と5、6はお客様と開発業者の責任割合を加味した上で、開発業者に対して損害賠償請求をする性質のものだと思います。

洗濯機に例えて言えば、洗濯機が壊れて洗濯物を破ってしまったり汚してしまったりしたとします。

洗濯機メーカーは瑕疵責任の範囲で洗濯機が正常に動く状態まで修理してくれますが、どこまで洗濯物に影響を与えたかは調べてくれません。もちろん、洗濯物を元の状態に戻してくれることもありません。

洗濯機の不具合が原因で出火して建物が燃えてしまったといった場合には、建物は瑕疵の範囲で直すというよりも、損害賠償で保証されるところになります。もちろん、使い方にも問題があれば、責任割合が変わって金額にも加味されることになります。

IT業界の成果物、特に受託開発の場合は目に見えにくいためなのか、開発業者や業界団体の声が小さいためなのか、瑕疵の例を一つとっても、他の製品と異なる扱いを容認してしまっている場合が多いと思います。

もっと、IT業界の価格の透明性や納得性を増していくためには、このような慣例も見直していかなければいけません。

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