1970年代から1980年代にかけてカセットデッキをよく使っていました。当時は気軽に音楽を録音するためにはカセットテープ程度しかなかったので、今から考えると信じられないほどの手間をかけていたのが思い出されます。
カセットテープのA面とB面
実はカセットテープにはA面とB面がありました。例えば、90分のカセットテープを購入しても、片面は45分しかありません。両面をあわせて90分となります。切り替えるためには、一回カセットテープを取り出して、ひっくり返してからまた入れるという操作が必要でした。
そんなA面とB面の切り替えを自動的にやってくれるのがオートリバース機能です。一般的には、磁気テープと擦り合わせている磁気ヘッドを180度回転する仕組みが取り入れられていました。
オートリバース機能の付いたモデルはほぼ無い
そんなオートリバース機能が付いたカセットデッキが現在はほぼ販売されていないそうです。なぜ発売されなくなってしまったかというと、オートリバース機能を実現するための部品製造が行われなくなってしまったことが原因だとテレビで紹介されていました。
カセットデッキを販売している会社がオートリバース機能を実現するための部品を開発しても良いのですが、今となってはカセットデッキはさほど売れないので、開発をしても回収する見通しが立たないため、オートリバース機能が無くなってしまったそうです。
オートリバース機能の変わり種
カセットテープ全盛時代にちょっと変わったオートリバース機能を持つカセットデッキがありました。
それはナカミチという会社が販売していた高級カセットデッキで、ヘッドが回転するのではなく、カセットテープが物理的に自動的にひっくり返る機能を持っていました。
なぜ、高級カセットデッキでこのような機構が採用されたのでしょう。それは音質を少しでも劣化させないためです。
カセットデッキはテープの進行方向と磁気ヘッドの向きの関係が非常に音質に及ぼす影響が大きくなっています。アジマスと呼ばれていたのですが、アジマスがずれると高音が出にくくなったりしました。
したがって、磁気ヘッドを回転させるとアジマスが狂いやすいので、カセットテープをひっくり返す方式をナカミチは採用したのです。
こちらの動画で実際に動いているところを見ることができます。
今となっては、ハードディスクやSDメモリカードに録音しておけば、ほぼ無限と言っていいほど長時間にわたって高音質で録音できるようになりました。本当に技術の進化には驚くばかりです。
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