JR東日本が発行しているICカード乗車券のスイカ(Suica)ですが、乗客がこのSuicaを使ってどのように行動したかを蓄積したデータを一般企業などに対して販売することを検討すると先日発表がありました。もちろん、Suicaを実際に利用した人の名前など、本人を特定できる情報については匿名化をして販売するとしています。
2013年の計画は頓挫
実はこのSuicaの利用データについては、2013年にも日立製作所を介して一般企業に販売するという発表が行われましたが、個人情報の流出を懸念する声が多く集まり、当時は計画がとん挫しました。こちらに当時の情報があります。

また、同じことをJR東日本自身で実施しようとしているのは、そろそろビッグデータの利用等について社会の理解が得られやすくなったはずだという考えがあるのかもしれません。
駅カルテ
また、今回は「駅カルテ」という首都圏約600駅の利用状況を示す定型レポートで年齢は10歳単位の集計データ、50人単位で集計など、プライバシーへの配慮を徹底したことをJR東日本では強調しています。
ニュースリリースではこのように特徴が紹介されています。
- 毎月のSuicaのご利用データを集計し、JR東日本の首都圏約600駅の各駅のご利用状況を示す定型レポートです。
- 1時間単位、年齢は10歳単位で集計し、 1か月の平均値(平日、休日別)を表示しています。
- 50人単位の集計(30人未満は非表示)をはじめ、プライバシーへの配慮を徹底しています。
- PDF(セキュリティ機能付)形式のレポートです。

JR東日本ニュースリリースより引用
個人から見るとこのデータが販売されることで駅の周りの開発に活かされて魅力的なお店が増えたり、利用しやすい街になったりするメリットはあるのかもしれません。
ただ、今回の駅カルテによる情報の提供は入り口に過ぎず、徐々に提供される情報が拡大される可能性も否定できなかったので、私の使っているスイカはオプトアウトの手続きをしました。
オプトアウトの方法
JR東日本のこちらのページからオプトアウトの申請を行うことができます。
自分のSuicaのID番号(JEで始まる17桁の番号)を入力するようになっています。
今のオプトアウトの仕組みはひどい
普通にSuicaを利用している人は、このオプトアウトできることを知らない人が多いと思います。すでにSuicaは2021年11月に発売から20周年を迎えて、発行枚数は8759万枚にものぼっています。このうち9割以上の人は外部に情報を提供されないようにするために、オプトアウトができることを知らないのではないでしょうか。
Suicaの作成時、えきねっとやJREポイントなどのサイトにもSuicaの番号登録時、定期券の更新、チャージなどの局面で、最初の1階は明示的に「外部に提供しても良いか」と確認し「同意」とした利用者の分だけを開示するようにしないといけないと思います。
例えば、パソコンなどのOSをアップデートすると、「製品の改良のために個人情報を含まないデータを外部へ送信しても良いか?」と聞かれますが、これと同じ方式です。
さらに東日本は外部に対して情報を販売して利益を得るのであれば、情報を開示した個人に対して何らかのインセンティブを提供しなければ、「同意」する人は増えないと思います。
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