地震発生時の関東の大規模停電はブラックアウト防止のための意図的な停電

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3月16日に発生した東北地方を震源とするマグニチュード7.2の地震ですが、震源地から大きく離れている首都圏で約210万戸に影響する大きな停電が発生しました。

停電が報道された時点では、どこかの変電所で設備の故障があったのか?、でも震源地から離れているのになぜ故障するのかな?と思っていたのですが、実は全面停電「ブラックアウト」を防ぐために一部地域への電力供給を強制的に止めたために発生したことが報道されていました。

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発電所の喪失

地震が発生した後、東北地方を中心に火力発電所が12基、水力発電所が24箇所で緊急停止しました。安全確認などのためです。これにより、約630万KWの電力の供給力が失われました。

自動的に供給を停止

このまま、電気を使う側が今まで通りに電気を使うと、需要と供給のバランスが崩れてブラックアウトが発生してしまいます。東京電力の安全システムが配送網全体で供給力の不足を検知して自動的に一部地域への電力供給を停止しました。

このとき停電させる地域はシステムが機械的に判断するとしています。今回のような深夜であれば電力の需要が多い歓楽街と電力消費の少ないオフィス街などの組み合わせを瞬時に選択して調整を行うとのことです。(ただ、この自動的に停電させる地域から外されている場所は必ずあるような気がします。勝手な想像ですが、首相官邸、霞ヶ関、永田町、都庁、重要なデータセンターなどの地域は自動停電の範囲から外されているのではないでしょうか)

約3時間で停電は解消

今回は配電線の切断などがあった地域を除いて、3月17日の午前2時52分に復旧しています。もしも2018年の北海道胆振東部地震のときのようにブラックアウトが発生してしまうと復旧に数日要す形になってしまいます。従って、ブラックアウトをさせずに一部の地域をあえて停電させることが、復旧にむけては軽微な影響で済むことになります。

地震が発生し停電がおきたとしても、慌てず騒がず、信頼できる情報を確認するとともに、配電が再開されたときに火事などが起こらないように、電気ストーブの周りを事前に点検しておく等、冷静な対応が大事です。

【2022/03/19追記】

緊急の節電を呼びかけ

3月18日の午後9時から東京電力は緊急の節電を実施するように呼びかけを行いました。この日は寒くて電力消費量が増えたことと、地震の影響でまだ止まっている火力発電所があり供給が追いつかなくなる可能性があるためです。

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