米AppleのCEOが欧米立法府の包括規制に懸念を表明

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最近、巨大なITインフラ企業に対して包括規制を進める動きが出ています。例えば、アプリで課金をするときはAppleの決済プラットフォームを利用することが基本で、他のサイトなどへ利用者を誘導することは禁止されていました。しかし、決済をAppleが独占し手数料を徴収するのは独占禁止法に抵触する恐れがあるため、Appleでは他の決済プラットフォームに誘導するリンクを承認する動きがあります。

Appleがアプリで外部決済への誘導を許可
米国Apple社が動画や電子書籍などのアプリで利用者を外部サイトに誘導するためのリンクを設置できるようにしたことをアプリ開発者向けのブログで発表しました。動画や電子書籍などのサービスを提供する企業はAppleによる審査を受けた上でリンクを設...

他にも、iPhone上にアプリをインストールするのは、現在はApp Store経由でしかできません。アプリ開発者はApp Storeにアプリを登録して販売し、こちらも一定の率でApple社に手数料を払っています。

アプリに関しては、Apple社が一つ一つを厳正にチェックしてから公開しているので、iPhoneの中にマルウェアが混入するようなリスクはかなり低減されます。また、追跡型の広告などに対して一定の基準を設けてユーザーが選択できるようにするなど、プライバシーへの配慮もAppleは進んでいます。一方でAppleが独占しているため、ここには競争が発生せず、消費者に皺寄せが行っている可能性があります。

ティム・クックCEOは「米巨大IT(情報技術)企業への包括規制が消費者のプライバシーをリスクにさらす」と懸念を表明しました。スマートフォン「iPhone」上でアプリ配信の市場開放が義務付けられれば「予期せぬ重大な結果を招く」とも警告しています。

Androidのように設定しだいでアプリをどのサイトからでもインストールできるところまではiPhoneユーザーを危険に晒すのでやめた方が良いと思うのですが、信頼できる第三者のアプリダウンロードができる仕組みの搭載はできるようにして、会社間での競争ができるような仕組みにはすべきだと思います。

パソコンの世界ではMicrosoftがWindowsでシェアを独占していることは問題視されて、利用者がブラウザや音楽再生ソフトなどのデフォルトを自由に選択できるようになっています。iPhoneに関しても、Appleが独占する今のままの形で推移するとは考えにくいです。

【2022/04/14追記】

楽天の三木谷社長がデジタル庁の分科会に提出した提言を読んでみると、App Storeの仕組みの問題が指摘されていました。

楽天市場自体もプラットフォーマーとして、各販売店から手数料を徴収するビジネスモデルを提供している中で、このような提言をしていることは興味深かったです。

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