日経XTECHの動かないコンピュータで、デジタル庁の「事業所」データ整備事業が中断(目玉政策が実現困難と判明した経緯)という記事が掲載されました。
この記事では事業所ベースレジストリの構築に向けた実施概要や中断に至った経緯が整理されているのですが、官公庁のIT関係の整備事業で、2021年11月に実現可能性がないことが見極められて、翌年3月には中断されるというスピードで対応されたことは素晴らしいと思います。
官公庁の事業ではITプロジェクトが立ち上がって業者を選定して、その後プロジェクトがスタートした後、実施困難なことが発生したときにも、何とかしてプロジェクトを前に進めようとして泥沼化していくイメージがありました。
こうなってしまうのは、途中でプロジェクトを中断すると、プロジェクトを立ち上げた責任者の責任を問われてしまうところにあるせいだと思います。税金を大切に使うという気持ちが先行しすぎて、途中でプロジェクトを中断すると、そこまでに投じた税金が無駄になってしまうことが過度に中断の判断を鈍らせていると思います。
しかし、プロジェクトをさらに強行して進めれば、さらに税金を無駄に投入し続けることになるかもしれません。
民間企業では当たり前の考え方ですが、そこまでに投じたお金はサンクコストとして考えて、今からこのプロジェクトを新たに始めるとしてもお金を投じる価値があるか否かを常に考え続けることが必要なのだと思います。
他の省庁でも実施困難と見極められたプロジェクトについては中途半端に続けるのではなく、場合によっては中断という選択肢がとられるようになることを期待したいです。
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