小田急バスに乗っていたら、前方の表示モニターに深夜バスに関するお知らせが映し出されていました。これによると、小田急バスが6月1日から深夜バスの制度について大幅な見直しを実施したようです。
従来の深夜バスは始発のバス停を出発する時刻が深夜の0時以降の便(系統により差異あり)としていたのですが、これを午後11時以降に出発する便に改めています。深夜バスは乗車料金が通常の便の二倍となります。(他社と共同運行している路線では一部に例外は残ります)
小田急バスではなぜ深夜バスの定義を見直したのかについても合わせて説明しています。
働き方の多様化、主にコロナ禍による影響が大きいと思うのですが、小田急バスでは21時以降にバスを利用する乗客の数が急速に減少しました。2年前と現在を比較すると、22時台は半減、23時台以降は3割程度にまで乗客が落ち込んでいます。
2020年11月には深夜帯の運行回数を需要に合わせて減便していましたが、なお深夜帯の収支改善が必要となったため、東京都内と川崎市内で深夜時間帯の見直しを図ることとなりました。
コロナ禍によってテレワークが普及して、自宅からでも仕事ができるインフラが各企業に導入されました。深夜まで会社に残って仕事をする必要はなくなって、残りはテレワークで片付けるという選択肢が容易に取れるようになっています。
また、仕事が終わった後にちょっと一杯飲みに行くという機会も減りました。飲食店は感染拡大のクラスタになりやすいということで、緊急事態宣言やまん延防止措置で飲食店の営業自粛が求められたこともあり、職場仲間とちょっと飲みに行く、もしくは退職者の送別会を大掛かりにやるということがなくなりました。
このような状況では、路線バスの深夜時間帯の利用者が減ることは十分に理解できることだと思います。
路線バスは人手不足による運転手の確保も難しくなっていたので、経営環境を整える意味では今回の深夜バスの制度の変更は致し方ないところなのだと思います。
今後、新型コロナウイルスの感染が収束してきたときに、交通インフラまでもがコロナ禍前と変わってしまっていたら、また、昔のような世の中が戻ってくることはないのだと考えさせられます。
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