事前購入した映画館のチケットはなぜキャンセルできないのか?

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7月1日公開の映画をtohoシネマズで予約しました。通常の映画であればかなり前からチケットを購入できますが、6月29日にならないと購入できないようになっていました。事前に売り出しているムビチケなどを売ってしまうことが目的なのかもしれません。

インターネットでtohoシネマズの公式サイトを使って、座席指定の上、予約をしました。7月1日はファーストデーということで、チケットは大人一人1200円というお買い得価格になっています。

しかも、楽天ペイを使うことができたので、楽天の期間限定ポイントを使い切ることも出来ました。

ここまでは良かったのですが、チケットの購入手続きを進める中で、「一度購入された後は、交通渋滞による来場遅延などその他いかなる場合でも変更およびキャンセルは致しかねます」という規約への同意を求められました。

映画が始まってしまった後に空席のまま席を無駄にしてしまったのであればともかく、1時間前までなど、十分に余裕がある段階でのキャンセルは受け付けて然るべきだと思います。

なぜ、このような消費者にとって不利な規約を押し付けているのか、調べてみました。tohoシネマズの「よくある質問」をまずは見てみると、下記のように答えが書いてあります。

インターネットでのチケット購入時には「一度購入された後は、交通渋滞による来場遅延などその他いかなる場合でも変更およびキャンセルは致しかねます」という文章を含みます規約にご同意いただいた上でご購入いただいており、一度ご決済いただいたチケットの変更・キャンセルは残念ながら承っておりません。

ご購入の際には、あらかじめご了承賜りますようお願いいたします。

残念ながら求めていた答えになっていません。
次にtohoシネマズの特定商取引法に関わる表記を確認しました。

ご購入内容の変更・キャンセル・払戻し
ご購入手続き完了後は、ご入場券の発券の有無に限らず、またいかなる理由に拘わらず、その内容の変更、キャンセル、払戻しはお受けしておりません。ただし、弊社事情により上映を中止した場合に限り、ご購入内容の払戻しをお受けします。払戻しは、発券済みのご入場券(弊社判断による内容判別が可能なもの)を、弊社にご返却頂くことを前提といたします。払戻し方法は、ご利用のクレジットカード会社の処理方法に準じます。また、払戻し実施に際しましては、ご入場券の券面金額のみが払戻し対象となり、その他の費用(ご利用に付随して発生した諸費用)はお支払いいたしかねます。
特定商取引法に基づく表記 || TOHOシネマズ
特定商取引法に基づく表記

こちらには、tohoシネマズ側の事情で上映を中止した場合は、払戻しをすることが書いてあります。

無効とされる消費者の利益を一方的に害する条項(消費者契約法10条)との関係が気になります。

消費者契約法に基づいて無効になる契約条項とは、消費者の利益を不当に害する契約条項は消費者の利益を不当に害するものとして無効になります。すなわち、契約に書かれていても効果はありません。

その不当に害する契約条項の一つに、「一切のキャンセルや返品・交換などを認めない」とする条項(消費者の解除権を放棄させる条項)」が挙げられています。

法律の専門家ではないので、映画館側が法律をどのように解釈しているのか分かりませんが、映画館側のキャンセルを受け付けない規定が法律違反に当たるのか否か、国民生活センターに聞いてみようと思います。

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