東洋経済オンラインに掲載された投資家のジム・ロジャーズ氏の「次の大暴落で最もひどい影響を受けるのは日本だ」という記事がSNSなどで話題になっています。
利上げをしないと難しい財政状況
日本ではこの新型コロナウイルス感染拡大に伴って給付金を支給して、国の財政状況はとても傷んでいるのですが、日本は出生率や外国人の受け入れも低い、世界各国に比べてもGDPと比べて債務の比率が大きいにも関わらず、日本銀行が大幅な金融緩和を続けているためです。
従来は円は安全な通貨と言われてきましたが、日銀が金融緩和を続ける限りは円安ドル高は続きます。このまま進行していけば徐々に耐えられなくなり、金融の引き締め、つまり公定歩合を何回も引き上げる結果になるというシナリオです。
慶応大教授の櫻川昌哉氏も読売新聞のインタビューの中で、「現在のように成長率よりも利子率が低い状態だとバブルが起きる。かつての株バブル、土地バブルは、今、国債バブルへ変異している。デフレから脱却するには少しずつ利上げをして金利を正常化する必要がある。個人が現金を貯めこむタンス預金の解消が最大の狙いだ」と答えていますので、ジムロジャーズ氏と主張が似ています。
住宅ローン金利の状況
住宅ローン金利
一般人にとって人生の中で一番大きな買い物は住宅、しかも現金で一括で買うことはできないので、ローンを活用することになります。この住宅ローンの金利を見ると、上記とは違う動きを見せています。7月29日の報道を見ると、大手銀行3行は住宅ローンの10年固定型の住宅ローン金利を一部引き下げる方向に出ています。矢印の左側が7月の金利、右側が8月の金利です。
三菱UFJ銀行 3.69%→3.64%
三井住友銀行 3.69%→3.63%
みずほ銀行 3.15%→3.05%
7月は金利が軒並み上昇していましたが、8月の金利は下がる方向になりました。日銀による強力な金融緩和により抑えられたと日テレニュースの記事では考察していました。
変動金利を選択する人が最多
一方で、マイナビニュースによれば、住宅ローンの借り入れに際して、変動金利型を選択している人が過去最多になっているという記事がありました。この調査では503人でアンケートをとっているのですが、変動型を選んでいる人が41.7%、固定期間選択型を選んでいる人が35%、全期間固定型を選んでいる人は23.3%しかいません。
今まで長い間、金利は上がる上がると言われていたのに、結局はゼロ金利といった金融緩和政策がずっと続けられてきて、金利的には変動金利型を選んだ人が結果的には一番お得でした。借り入れる段階で、変動金利は固定金利と比較してずいぶん金利が安く見えるので、魅力的に目にうつってしまいます。
今後、公定歩合が見直されるのか否か、住宅ローンを借りている人からも注目されそうです。
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