総務省が通信障害でのローミングを導入検討へ

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先日、auの大規模な通信障害が発生しました。3日間に及び通話やデータ通信がしにくい状況が続き、緊急通報ができないなど緊急度が高い通信にも影響が出ました。

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ローミング

今回はauのシステム設備の問題ではありましたが、日本でも大規模な災害が増えており、通信設備が被害を受ける可能性はどんどん増えていますので、現状の通信業者だけに依存した在り方も限界にきています。そこである会社で通信障害が発生したときに、他の会社のネットワークが利用できるようにする「ローミング」の導入に向けて9月を目途に総務省が具体的な検討を始めることになりました。単に通信会社に対して行政指導をするよりも一歩進んだ対応なので評価できると思います。

例えれば振替乗車

通勤電車に置き換えると、ある鉄道路線で事故があったとき、並行する他の会社の路線などに振替乗車できますが、それと同じイメージだと考えれば良いと思います。

ある大手キャリアで障害が発生した際に、単に全ての通信を他の会社に割り振ると、他の会社の方でネットワークの渋滞(輻輳)が発生してしまう可能性があるので、通信の優先度を設けて、ネットワークの空き具合に応じて、振り替えをする優先度を決めるような制御も必要になるかもしれません。

山間部の通信インフラ整備

せっかくローミングの検討を進めるのであれば、山間部など人が少ないエリアでの基地局の共同利用化も検討すべきだと思います。人の少ないエリアでは基地局を設置してもなかなか採算に合いませんし、また各キャリアが別々に基地局を設置するほどのトラフィックもありません。今後、エリアを拡大して、さらにインフラとして強固なものにしていくのであれば、郊外の基地局整備のための基金を創設し、各キャリアが資金を出し合って網羅するエリアの拡大を進めた方が良いと思います。

今後はキャリアは付加価値の競争へ

以前はキャリアの差別化は通話品質やエリアの広さといったものでした。しかし、今となってはどのキャリアも通話品質やエリアの広さは遜色なくなってきているので、インフラの上に載せるコンテンツなどのサービスのレベルでの戦いに変わってきています。通信としてのインフラについては政策を見直すべきタイミングが来ていると思います。

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