NHKが衛星放送契約の受信料を2023年秋にも1割程度値下げする方向で最終調整していることを10月6日に前田会長が定例記者会見で明らかにしました。今後、NHKの最高意思決定機関である経営委員会に提案します。
衛星契約の概要
衛星契約の受信料は口座振替かクレジットカードで2ヶ月ごとに支払う場合は月額2170円です。正直、家計に占める負担がとても重いです。動画配信サービスの値段と比較してもかなり高額、たとえ1割程度安くなったとしても適正価格になったとはとても思えません。
視聴者は高いと思っている
2020年11月14、15の両日、朝日新聞社が実施した全国世論調査(電話)で、NHKの受信料をどう感じているかを3択で聞くと、「高い」が63%、「妥当だ」は28%、「安い」2%だったという調査結果もあります。この調査から2年が経過していますが、円安ドル高やエネルギー価格の高騰から家計の圧迫はさらに拍車をかけているので、NHKの受信料が高いと感じている家庭はさらに多くなっていると思います。
そろそろ、放送から通信に主体が変わっていく中で、BS放送という枠組みをいつまで維持する必要があるのか議論が必要なのではないでしょうか。地上波が届かない地域への放送という使い方に限定されていくようにも思います。
NHKで放送されている番組も「再放送」をしている枠も多いように感じます。再放送はあえて放送で流さずに、コンテンツの配信サービスを作って、地上波契約をしている人には無料で視聴できるようにすれば良いと思います。NHKオンデマンドで、地上波契約とは別に月額980円を徴収している場合ではないと思います。テレビに簡単に接続できるセットトップボックスを契約者に配布して、パソコンなどを使い慣れない世帯でも視聴できるような工夫が必要でしょう。
こんな取り組みを通して、地上波テレビ放送、BSテレビ放送、FM放送、AM放送、短波放送はもっとチャンネル数を減らして、事業運営コストはもっと圧縮すべきでしょう。
バブルの時期を通して、NHKの業務も肥大化しすぎてきたので、そろそろ大きく見直すべき時期が来ていると思います。
【追記】
地上波契約も値下げか?
共同通信が衛星契約と同時期に地上についても値下げをする方向で最終調整に入ったという報道をしています。他のマスコミでも報道され始めていので、もしかすると確度は高い情報かもしれません。
その後、地上波についても1割値下げと報道がありました。
BSプレミアムの停波
現在提供しているBS放送は、BS1、BSプレミアム、BS4Kの 3波がありますが、このうち2024年3月末をもってBSプレミアムを停波します。逆に言うと、視聴者から見れば3波が2波に削減されるのに視聴料は1割しか下がらないというのは馬鹿げた話です。3割程度の値下げが必要です。
衛星契約は解約して、Netflixなどの動画系サービスに切り替えるのも一つの選択肢だと思います。
また、2023年12月1日からBS1およびBS4Kを、「新BS2K(仮称)」および「新BS4K(仮称)」と改めてスタートします。
停波することでコストを圧縮するのは良い方向だと思います。他にもチャンネルが多すぎるので、停波を進めることを望みます。
【2024/06/26追記】
NHKが34年ぶりの赤字決算へ
NHKが6月25日に2023年度決算を発表しました。NHK単体で、事業収支差金が136億円の赤字となっています。赤字決算は1989年度以来、34年ぶりです。2023年10月に受信料を1割引き下げたことが主要な原因です。
値下げを発表してコスト削減に取り組んできたものの、まだコスト削減は道半ばという状況ではないかと推察します。BS放送のチャンネル数を集約したりする取り組みは評価できますし、これからも放送しているチャンネル数については削減することが必要です。
NHKは今まで受信料をもとに膨らみきってきましたが、今後は少子高齢化で人口減少の時代を迎えるほか、YouTubeなどのコンテンツが充実してきていることに伴い、テレビ自体を見ない人も増えているので、視聴料は減少の一途を辿ることは間違えありません。ネット利用者からも一律で視聴料を取るといった議論もありますが、お金を払った人しかNHKのネットコンテンツを見られなくすれば良い話しで、一律徴収するのはおかしいです。
NHKは公共放送としての使命を今一度噛み締めた上で、今後もコスト削減に向けた取り組みを継続してほしいと思います。
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