10月13日の報道の中に、紙の保険証が原則2024年秋に廃止になるという記事がありました。すでに保険証はプラスチックなので、「紙の保険証なんてそもそもあるのか?」などとボケをかましながら記事を読んでみると、マイナンバーカードの保険証に切り替えるという内容でした。
マイナンバーカードの取得状況
マイナンバーカードもすでに49.6%(6420万枚)以上の国民に行き渡っていますし、そろそろこのような動きがあってもおかしくない時期ではあると思っていました。
政府では2022年度末までに全国民がマイナンバーカードを取得することを目標にしていて、マイナポイントの還元策も進められていますが、思ったほど取得率が大きくは伸びていません。
マイナ保険証の普及状況
昨年10月からマイナンバーカードが保険証として使用することができる、マイナ保険証の仕組みがスタートしました。しかし、医療機関の対応が追いつかず、少なくとも私がかかっている大学病院やクリニック、薬局ではマイナ保険証は利用することができません。
9月18日現在の医療機関および薬局におけるオンライン資格確認導入状況は、運用開始施設数で全229,760施設のうち66,925施設(29.1%)にとどまっています。
今後医療機関の準備が追いつくか否かも課題になります。
マイナンバーカードのメリット
今回、政府は強硬策に出る形になりましたが、並行してマイナンバーカードを取得することによるメリットは国民の目に届くように分かりやすく周知した方が良いと思います。
これからは医療費の確定申告が楽になったり、お薬手帳も持ち歩く必要がなくなることなど、メリットが十分に伝わっていないようにも思えます。
マイナンバーカード取得は義務か任意か
従来はマイナンバーカードの取得は任意という位置付けでしたが、実物の保険証を廃止してしまうとなると、マイナンバーカードの取得が事実上は義務化されたことと同じことになってしまいます。
Twitterなどでも不満や不安の声が上がっていることもあり、デジタル庁ではマイナンバーカード未取得者の診療に関して、保険証ではなく何らかの方法で対応するとして今後、厚生労働省と検討を進めることにしています。
【2024年6月26日追記】
通っているクリニックでもマイナンバー読み取り機設置
定期的に通っている小さなクリニックにマイナンバー読み取り機が設置されました。ただ、クリニックの様子を見ていると、マイナンバー読み取り機を使っている人は少ないですし、クリニックでもマイナンバーカードの利用を促進している様子はありません。厚生労働省の発表によれば、2024年5月時点でのマイナ保険証の利用率は前月より1.17%増加しているものの、7.73%にしかなっていないというのも、よく理解できる状況です。政府はマイナ保険証の利用者を増やした医療機関に対して最大で20万円、診療所や薬局では10万円の一時金を支給すると決めていますが、小さなクリニックではマイナ保険証による確認でトラブルが発生したときなどに窓口の人では対応しきれない場合もあるので本音としては導入を急ぎたくないというところがあるのではないでしょうか。
政府は2024年12月2日に健康保険証を廃止、それから最長で1年間の猶予期間を過ぎた後にマイナ保険証に一本化する方針です。マイナ保険証持っていない人やマイナンバーカードを紛失して再発行を待っている人には健康保険証の代わりとなる資格確認書が発行されます。
今後、マイナ保険証の利用率が上がるにつれて、トラブルが改善し収束することで、窓口業務への負担増は抑えられていくものと思いますが、各医療機関や薬局の理解とマイナ保険証の利用促進に向けた取り組みに対応してもらえるかどうかが、これからのカギになりそうです。
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