日光のいろは坂でホンダの特定のハイブリッド車ばかりが故障し停まっていることが、ツイートされて話題になっています。
いろは坂でホンダ車が四台停車
2022年10月30日のツイートによれば、ホンダのデュアルクラッチドライブのハイブリッドシステムが4台も停車していたことが写真付きで投稿されています。
日光 いろは坂 3時間の渋滞で本田技研のデュアルクラッチドライブのハイブリッドシステムが4台もトランスミッションの熱で停止は問題あるような…#Honda@HondaJP pic.twitter.com/lJY06ATQdM
— 森 裕紀 (@hm102) October 30, 2022
2013年9月にフルモデルチェンジした、現時点で発売されているひとつ前の世代のホンダ「フィットハイブリッド」には、「SPORT HYBRID(スポーツ ハイブリッド) i-DCD」が採用されました。いろは坂で故障し停まっていたハイブリッド車はこの旧世代の1モーター式システムの搭載モデルでした。このi-DCDはホンダのヴェゼル、シャトル、ジェイドなどにも搭載されているほか、私が現時点で乗っているグレイスにも採用されています。
i-DCDとは?
このi-DCDというハイブリッドシステムは、走行用のバッテリーに余裕があるときはモーターだけのパワーで走行することが可能です。この走行用のバッテリーは基本的には走行しているときにしか充電がされませんが、いろは坂のような上り坂で何度も発信を繰り返していると、走行用バッテリーの電池残量がなくなってしまいます。
電池残量が無くなれば、モーターの力で走り出すことができないので、エンジンの力に頼ることになります。シンプルでコストが安い乾式クラッチが採用されているため、登り坂から走り出そうとすると回転数を高めにしなければなりません。いろは坂が渋滞し停止とスタートを繰り返す中でトランスミッションが高温になったのではないかと思われます。
— うさ夫 (@usaotoday) October 30, 2022
ミッションが高温になる理由
特に登り坂で止まっている際、ブレーキでなくアクセルをホンの少し踏んでいるような乗り方をすると、マニュアルミッションでずっと半クラッチをしているのと同じ状態になってしまいます。クリープ走行は最低限にとどめて、停止とスタートをメリハリつけて運転する必要がありそうです。
警告灯が点いてしまった場合は、すぐに走行を中断すれば冷えるのを待って走り出すことができますが、そのまま無理して乗り続けると焼きついてしまい走行不能になってしまいます。警告灯が点いたらできるだけ早く路肩など安全な場所に停止するよう気をつけます。
【2023年5月29日追記】
中央道でも二台のヴェゼルが立ち往生
くるまのニュースによれば、2023年5月5日のこどもの日に中央道の笹子トンネルで発生した玉突き事故の影響で渋滞していた際に、立ち往生しているホンダの初代ヴェゼルがあったとのことです。
原因は日光いろは坂とまったく同じで、渋滞中にブレーキをしっかりと踏まずにアクセルだけで発進、停止を繰り返して運転し、ミッションを高温にしてしまったことが原因として考えられるとのことです。
ミッションが高温になったときの警告は二段階あります。
- トランスミッション高温→車速を時速7Km以上に上げられる場合は、そのまま走行すると高温状態が解消される
- トランスミッション高温-安全な場所に車両を停車してください→この警告が出たらすみやかに安全な場所に停車してトランスミッションの温度を下げます
二段階目の警告が出てもノロノロ走ると、トランスミッションに負荷をかけて、本線上で立ち往生といった状況になってしまいます。
コメント