Bloombergが業績悪化や資金調達懸念から楽天Gの社債価格が下落していることを報じしています。楽天グループの円建て社債のほとんどがこの数週間で下げ幅を拡大して、過去最低の水準まで落ち込んでいるとのことです。
資金調達の状況
モバイル事業への投資が足かせとなって、楽天グループでは赤字の決算を続けています。この傷んだ財務状況を立て直すために大規模な資金調達が可能か否かを市場では見極めているとのことです。次の楽天グループの決算発表は11月11日(金曜日)を予定していますので、ここで財務状況が公になります。
この発表内容によっては、格付け会社のS&Pグローバル・レーティングは、現在の投機的水準「BB+」から引き下げられるリスクがあります。
一方で11月8日(水曜日)の楽天グループの株価は前日よりも30円上がって、698円になりました。こちらの株価が上がった要因は、携帯電話用のつながりやすい周波数帯「プラチナバンド」について、新たな事業者に割り当てる場合の移行期間は5年間が標準とする報告書案が公表されたことが好感されたのではないかと報道では分析されています。
楽天モバイルの動向
楽天モバイルでは0円で携帯電話回線を維持できるプランを変更し、最低でも月額1078円がかかるようになりました。この発表を行ったあと、主に0円で携帯を維持していた契約者が、楽天モバイルを解約して他の携帯電話会社に行くような状況が見られました。この0円で維持していた人が抜けたことは、楽天モバイルの売り上げに影響する話しではないので、経営への影響はほとんどなかったのだと思いますが、その後の契約者の伸びがどうなっているのか、楽天モバイル契約者の一人当たりの金額はどの程度上がったかなど、気になる部分がたくさんあります。
11月11日に行われる決算発表で楽天モバイルがどのような道筋をたどっているのか、状況を確認したいと思います。
【2022年11月14日追記】
楽天グループの決算発表
2022年1~9月期連結決算(国際会計基準)は、純損益が2580億円の赤字(前年同期は1039億円の赤字)となりました。
楽天モバイルは全体の契約者数は減少しているものの、課金ユーザーが100%に達したことによる効果は今後の期待となります。
自社ネットワーク整備が進んだことで、パートナー回線利用に伴うローミング費用が減少しています。有料課金利用者のみとなったことにより、今後は徐々に赤字体質から脱却して、今後の黒字化については「2023年12月」を目標としています。
2022年11月14日の株価は700円前後で推移しています。大きく下落もしていないし上昇もしていない、投資家から見るとまだ少し様子見という感じなのかもしれません。
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