
千葉県茂原市のガス料金が東京よりも4割も安いというニュースが報道されていました。ロシアによるウクライナ侵攻などの影響により原油や天然ガスの価格が大幅に高騰している中、とても羨ましい話しです。
なぜ、この地域のガス料金が激安なのかというと、この地下に天然ガスが地下水に溶け込んだ南関東ガス田があるからなのだそうです。地産地消のエネルギーということで、主に茂原市などの九十九里に近い地域で採取、利用されています。
なぜ豊富な天然ガスがあるのか
それでは、なぜこの地域に豊富な天然ガスがあるのかというと、今から300万年から40万年ほど前に、海底に沈殿した有機物が地中で分解されてガスとなり、地層内の地下水に溶け込んだものなのだそうです。それが理由であれば、ほかの地域でも採取できてもおかしくないと思うのですが、難しいのでしょうか。
この地域、場所によっては地中の天然ガスが自然に湧き出ていて、地域を流れる川ではガスが小さな泡となって次々と浮き上がってくる現象も見ることができます。したがって、とても採取がしやすいということが大きな特徴で、千葉県にはガスを採取する井戸が600か所以上もあるとのことです。
しかし、課題もあり、地下水に溶け込んでいる天然ガスは地下水ごとくみ上げる形になるので、大量に死守しようとすると地盤低下を引き起こす可能性があります。したがって、他の地域に供給できるほどの天然ガスを採取することができません。
実は東京でも採取をしていた時期があった
実はこの南関東ガス田は千葉のこの地域のみにあるわけではありません。千葉県を中心に茨城県、埼玉県、東京都、神奈川県の地域に及んでいます。日本国内で確認済みの天然ガス埋蔵量の9割を占めるとも言われ、以前は東京(江戸川区・江東区を中心とする東京都内の「東京ガス田」)での生産も行われていた時期があるそうです。しかし、地下水くみ上げによって大規模な地盤低下が発生したため、東京での採取は取りやめになり、現在の九十九里に近いエリアでの採取にとどまっています。
地盤沈下を防ぎながらガスを採掘する技術の開発も行われているので、この技術の確立に期待したいと思います。

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