JR東日本でモバイルSuicaのアプリでのチャージや「えきねっと」が利用できないトラブルが、6月24日午前0時半過ぎ以降発生しています。駅の券売機やみどりの窓口でクレジットカードが利用できないほか、会社のホームページが見られない状況も発生しました。(会社のホームページは午前6時半ごろから徐々に見ることができるようになってきています)
電源トラブルが原因
システムサーバーの電源トラブルが原因と発表されています。(電源系統は二重化されている場合が多いので、通常のトラブルであればサービスの中断は最小限で済むと思うのですが、今回は大きな問題が発生しているのでしょうか)
例えば、えきねっとにアクセスすると、こちらの画面が表示されます。
iPhoneでは本来であれば、モバイルSuicaを使わなくても、Walletアプリ経由でチャージすることもできますが、現時点ではこちらも利用することができません。
モバイルSuicaは残高が残っている場合は改札を通過できるほか、駅の券売機、みどりの窓口では現金での切符の購入は可能です。また、Suicaはネット経由でのチャージができないだけで、券売機やセブン銀行ATMなどでの現金チャージは可能です。(Suicaを置くタイプの機械)
すでに事象発生から7時間近くが経過してもトラブルが直っていません。深夜に発生したため、メーカーや人の手配に支障があったのでしょうか。
影響範囲
【追記】
午後12時になっても駅でクレジットカードが使えるようになったこと以外は事象が改善されていません。公式サイトでは下記の案内が行われています。
なお、下記のサービスについては利用できると案内されています。
- みどりの窓口、券売機等での現金・クレジットカードのご利用
- すでにチャージをされているSuicaでのご乗車・お買い物
- Suicaへの現金でのチャージ
- えきねっとで予約済みのきっぷの受け取り、予約済みの新幹線eチケット・在来線チケットレス商品のご利用
- JR東日本びゅうダイナミックレールパックの予約済み商品の受け取り
- JR東日本グループのエキナカ、駅ビルの店舗等でのクレジットカードのご利用
- JR東日本ホームページ
復旧と障害の原因
屋内の電源工事の際にマニュアルの不備により、誤ったブレーカーをオフにしたことにより、夜間処理中のシステムへの電源が止まり、ハード故障やデータ不整合が発生したことにより、完全復旧まで約12時間かかる結果となりました。
サーバーの電源を再投入したあと、ハードウェアの正常性を確認し、電源断時に実行されていた処理の再実行やデータの整合性確認をしたりしたためです。
ブレーカー装置の写真まで含めて原因を発表したJR東日本の姿勢は素晴らしいと思います。
しかし、発表内容には、まだまだ違和感があります。ブレーカーの電源断の時点でなぜUPS装置が働かなかったのか?ということです。電源の供給が突如失われたとき、正常に機器の電源断が行われるまでの短い時間、UPS装置で電源供給することが普通だと思うのですが、UPS装置はなかったのでしょうか。または、ブレーカー自体がUPS装置と機器の間にあるものだったのでしょうか。
また、データの不整合が発生した原因も気になります。データの整合性がとれるタイミングでコミットするような設計になっていなかったのでしょうか。このような部分ももう少し発表いただければ、今後の業界における再発防止策にも貢献できると思います。
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