DOS/Vという言葉も見慣れない言葉へ

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NECのPC-8801などを使っていたころ、1980年代中盤でしょうか。このころはパソコンの電源をONにすると、N88-BASICを使用するための画面が立ち上がりました。その後、PC-9801が登場して5インチのフロッピーディスクドライブが付くと、MS-DOSが収録されているフロッピーディスクを入れて起動することでMS-DOSが起動しました。

MS-DOSはマイクロソフト社のディスクオペレーティングシステムです。本来は世界共通のOSであるべきなのですが、NECが作っているPC-9801シリーズは日本語が使えるようになっていたり日本向けにカスタマイズされているDOSでした。当時、EPSONはNECのPC-9801互換機を発売していました。NECはMS-DOSにPC-9801シリーズ以外では動かないようにするためのロジックを作りこんでいましたが、EPSONはこのロジックを無効にするためのパッチを配布していました。NECのMS-DOSにEPSONのパッチを施工することでEPSONの互換機でMS-DOSが動きました。

EPSONの互換機が発売されていたとはいえ、当時の日本ではNECのPC-9801シリーズがデファクトスタンダードになっていました。しかし、その勢いに陰りが現れたのは、DOS/Vの登場によります。DOS/VはPC-9801のようにハードウェア側で日本語表示用の仕組みが実装されていなくても、OSの機能だけで日本語を扱えるようにしてありました。これにより、米国などで販売されていたPC-AT互換機が日本でそのまま使えるようになりました。

米国からはCOMPAQが割安なパソコンを日本に持ち込み販売しました。私もそれまではEPSONの98互換機を使っていましたが、COMPAQが乗り込んだときにPresarioというシリーズのパソコンを購入しました。この時からプライベートでは98シリーズを利用していません。

その後はWindows3.1、続いてWindows95が普及したことに伴い、DOS/Vを意識してパソコンを利用することはとても少なくなりました。

そんなDOS/Vという言葉を現在までつなげていたのが、1991年に創刊された「DOS/V POWER REPORT」です。このDOS/V POWER REPORTが、とうとう12月28日発売の2024年冬号をもって休刊となってしまいました。今の時代まで発刊されていたこと自体が奇跡だったのかもしれません。

昔はコンビニの雑誌エリアなどでパソコン関係の雑誌は所狭しと並べられていましたが、最近ではほとんど置かれていません。今となってはインターネット上に良質なコンテンツが多数並ぶようになったので、あえて雑誌を購入する必要がなくなった人も多いと思います。

これからはWindowsのコマンドプロンプト程度でしか、MS-DOSを思い出す場面はなくなるかもしれません。

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